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2015/04/24

安定と不安定

安定を求めるのが人間の本能だ。
就職活動では、大手企業が依然として人気があり、公務員を志望する人も多い。就職活動をする人の中には、安定してそうな箱を求める人も多いだろう。

だが、不安定を求める人もいる。
大手企業に比べれば比較的浮き沈みの激しいベンチャー企業で働く人や、あまりなじみのない海外で事業を興す人もいるだろう。

私が大学を卒業してすぐの頃、私と同年代にもかかわらず海外で飲食店をオープンした方と話す機会があった。
何の変哲もない大学生活を送っていた私からすれば、大して年齢も変わらないのにそうした行動を起こせることにただただ驚くばかりであったが、その人との会話の中で特に印象に残ったのは、「どうなるかわからないのが楽しいんだよ!」という言葉だった。

続けて彼はこう言っていた。
「もちろん、事前に十分な準備をして海外に行ったけど、それでもやってみないとわからないことのほうが多い!今もそこまで収入があるわけではないけど、自分は安定している!」と。

世間的に知られた大企業で働くことや公務員になることが安定だという人。
事業を海外で立ち上げ、まだ収入にはバラツキがあるものの安定しているという人。

こうして考えてみると、「安定」っていったい何なのだろうか?

毎月決まった給料が入ってきて、潰れる可能性が低そうな会社に入ることなのか。
それとも、どんな環境でも生き抜ける力を持ち、自分への信頼を強く持てることなのか。
正直、答えはない。
ただ、どちらが安定しているかしていないかは、その人自身が決めることであるとは言える。

自分で決めるのだから、一般には安定しているといわれる生活に不安定さを感じることがあっても、 不安定そうだからと避けられがちな生活の中に安定を感じることがあったとしても、それは決して異常なことではない。

たとえ、親や先生から「安定しているから公務員になりなさい!」とか「大手企業に入りなさい!」と言われたとしても、私たちが考えなくてはいけないのは、

自分にとっての安定とはなんなのか?
そして、どんな人生を生きたいのか?
ということだ。

世間一般では、安定しているといわれる生活を選んでいても、やりたいことができなかったり、常に将来に対する不安や現状への不満ばかりを抱えていては人生に後悔ばかりが残る。

誰もそんな人生を望んではいないはずだ。
だから、周囲の誰かが定義した「安定」の意味を鵜呑みにし、安易に「安定」を求めるのではなく、普段何気なく使う「安定」という曖昧な言葉を自分なりに定義し直し、自分なりの「安定」を求めることが重要だと私は考えている。

そういう私は、今日も安定を求めて、創業からまだ間もない、社員2名の会社を経営している。

あなたにとっての「安定」とは、何ですか?