20代で役職に就いた時に気をつけたいこと
“中小企業白書2014”の起業家の年齢別構成の推移を見てみると、29歳以下の起業家割合は2007年の14.8%から微減し、11.9%となっています。
この調査からもわかるように、まだまだ20代での起業家は全体の数字から見ても少ないといえます。
ただそれでも、「自分の裁量で仕事をしたい」「仕事を通じて自己実現を図りたい」といった理由で、20代で起業する人が一定数存在しているのも事実のようです。
私の周りを見渡してみると、20代で起業した人はざらにいて、10代で起業する人も珍しくはなくなってきているように感じます。
個人的には、終身雇用も崩れ、大企業に勤めることが以前ほど魅力的ではなくなったことも影響しているのではないかと考えています。
先行きは不透明だし、会社に依存するくらいなら、自分でやってみようといった感じではないでしょうか。
全体の数としてはまだまだ20代で起業する人は少ないですが、20代で起業した時はもちろん、何かしらの役職に就いたときに気をつけておきたいことを自戒の意味も込めて、まとめておきたいと思います。
■冷静になろう。
起業すれば、その日から代表/社長といった肩書きを名乗ることができます。
また、ベンチャー企業に就職した場合、そもそも社内における競争相手が少ないため、大企業に比べて比較的早く役職に就くことも可能でしょう。
ただここで、「自分でもできる!」と自信を持つことは良いのですが、一歩間違えると「俺はすごいんだ!」と驕ってしまったり、勘違いしてしまうことにつながります。
驕り高ぶった奴になる。
これだけは誰もが避けたいことでしょう。
そもそも肩書きに価値があるわけではないし、ましてや会社の規模や知名度を自分個人の力と勘違いしているとしたら、愚の骨頂といっても良いでしょう。
若くして起業したからといって、役職に就いたからといって、肩書きとかそういったものを振り回すいけ好かない奴にはならないように、まずは冷静に、そして謙虚であり続けたいものです。
■能力がない人ほど過信する!?
「能力がない人は、自分の能力をしっかり把握できない。一方で、本物の実力を持つ人ほど自らの能力に疑いを抱いて悩む」という心理傾向は、“ダニング・クルーガー効果”と呼ばれているようです。
たしかに、自分のレベルを正しく評価すると気が滅入るので、見て見ぬ振りをする場合もあります。
この心理傾向に陥りやすいタイミングは、ある技術や物事に詳しくない時のため、常に何かを学ぶ姿勢を持ち、知見を深めることが重要と言えそうです。
何かを学ぶ中で、新しい知識を得ると同時に、“自分は何を知らないのか”ということも同時に得ることができるはずです。
■自信と過信の違いを考えてみる。
何かに一生懸命に取り組んで、成果が出たとしましょう。 すると、それが嬉しくてまた頑張ります。 そうやって、小さな成功体験を積み重ね、自信を得ていきます。
しかし、ある時、その自信を自らのエゴのために、逆らいそうにない人たちに使うようになる場合があります。
あたかも、「自分は凄いんだ!」と認めてもらいたいかのように。
そうやって誰かに押し付け始めた時点で、それは自信ではなく、過信となり、周囲からは傲慢・うぬぼれと捉えられてしまいます。
そうはならないために、20代で何かしらの役職に就いたとしても勘違いすることなく、“自信”は正しく使っていきたいですね。
努力して積み重ねてきた自信は、不測の事態や未知の出来事に対して、自分を後押しするものとして使っていきたいものです。