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2018/10/18

Twilio SIGNAL 2018 最新レポート - Flex による独自コールセンター構築等

こんにちは、本間です。

弊社の中心技術の一つである Twilio があります。私は、その企業が開催する年一回のカンファレンス Twilio SIGNAL に参加するためにサンフランシスコに来ております。SIGNAL は2日間に渡って Twilio の最新情報が共有されるイベントとなっており、ここで最新の Twilio 情報や事例が共有されています。

今年は ビル・グラハム公会堂というサンフランシスコの中心にある大きな会場で開催されました。辺りは Twilio 一色で、大変盛り上がるイベントとなっています。

本記事では本日発表された Day1 キーノート の内容をレポートします。

以下に具体的な キーノート 内容をご紹介していきます。

LINE, WhatsApp, RCSのチャネルサポート

Twilio は「オムニチャネル」や「文脈のある会話」として、SNSのチャットや電話、SMS などあらゆるコミュニケーションチャネルを繋ぎこむことを目指しています。とりわけ日本で主に使われている LINE の提供は Twilio が早くから公表していました。この度 WhatsApp と RCS(Rich Communication Services) の連携が発表されました。RCS は日本でも大手キャリア3社が実現に向けて力を合わせることになっています。

3キャリアで一斉に「MMS」じゃなくて「RCS」を導入へ

Twilio を利用することで、LINE や RCS などを簡単に利用することができるようになります。私たちは Twilio の提供するシンプルな API を呼ぶだけで、それぞれのチャネルへメッセージ送受信することができるようになります。

現時点で Facebook メッセンジャーや Amazon Alexa にも対応しています。今後は Twitter や Slack にも対応する予定とのことです。

Sendgrid の買収

Sendgrid の買収は日本でも既にニュースとなり話題となっていました。

TwilioがメールのAPIを提供しているSendGridを$2Bで買収、オムニチャネルサービスの充実のためか

SIGNAL 内で Sendgrid の CEO がこれまでの Sendgrid の歩みや今後について語っていました。

Twilio は “コミュニケーション API” と言いながら、唯一メールに対応していませんでした。そのため、メール企業を買収することは理に適っています。 現時点では具体的に Twilio プロダクトに取り込まれた様子はないですが、まもなく Twilio の機能の一つにメールが取り込まれることでしょう。

Twilio Flexの正式リリース

兼ねてよりベータ版となっていた Twilio Flex が正式リリースとなりました。

Twilio Flex は、Twilio ユーザーが自由にコンタクトセンターの機能を組み合わせて構築することのできる、今までになかったコンタクトセンター構築のためのプラットフォームです。一般的なコンタクトセンターに必要なあらゆる機能を備え、さらにオムニチャネルに対応し、今後は AI によるサポートを提供できるように準備しているとのことでした。

この Twilio Flex の拡張は自身で組み立てるだけでなく、プラグインとして公開されているものを利用することもできるようになるとのことです。デモの中では実際にプログラミングによって Twilio Flex をカスタマイズする過程が公開されました。

TwiMLに Pay 動詞が追加

ピザを注文するときに、通話の中で支払いまで終わらせられれば、そのあとの支払いの手間を削減することができます。

この度、Twilio の TwiML に新しい同士 <Pay> が追加されました。Pay を利用することで、自動音声と DTMF(ダイヤル操作) によってクレジットカード決済を行うことができるようになります。これを実現するには厳しいセキュリティ要件を通さないといけないそうですが、Twilio がその条件をクリアしたようです。

日本円がサポートされるのがいつになるのか不明なところですが、個人的に Stripe のユーザーグループに顔を出していることもあって、この提携は楽しみであります。

Autopilot で AI プラットフォームを公開

Autopilot は、開発者がコンタクトセンターに AI を取り入れるためのプラットフォームです。

学習されたデータをもとに、着信を受けたらどんな対応をするのかを命令文を元に実行することができます。

具体的な命令文は <Say>, <Show>, <Remember>, <Collect>, <Redirect> の5つです。これらを Twilio に送ることで、独自の AI コンタクトセンターを定義することができます。

デモの中では <Collect> が紹介されました。Collect では Date, Number, Name などの必要な情報の形をあらかじめ指定しておくことで、正しい発言がされたのかを Twilio 側でチェックしてくれる仕組みがあります。もしふさわしくない発言だった場合にはエラーのメッセージを流すことができます。検証によって、より正確なデータを受け付けることができるようになります。

この Autopilot も現在は英語がメインのようですが、日本語対応されたらコンタクトセンター AI の活用が見えてくるかもしれません。

終わりに

「次のコンタクトセンター」、「AI」、「オムニチャネル」 などがキーワードとなった Day1 の キーノート でした。

引き続き selfree では Twilio の最新情報を追いつつ、最適な形で日本のみなさまへサービス提供したいと考えております。今回の Signal の内容をより詳しく把握・分析して製品改善に活かしてまいりますので、CallConnect, wellcast の今後の発展にご期待ください。