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selfree
2024-01-25T03:27:10Z
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2024-01-25T03:27:10Z
2024-01-25T03:27:10Z
sennba2
少人数でSaaSを運営する際のシステム保守の考え方
<p><img src="/images/20240125122553.jpg"></p>
<p>こんにちは。牧です。</p>
<p>システムの保守にかかる工数の一般的な目安は、15%と言われています。年間の営業日を約244日と仮定すると、36.6日≒月3日≒月24時間かけて良い計算です。</p>
<p>しかし、少人数の会社にとって、これはあまり参考にならない数字だと最近感じるようになりました。というのも、セキュリティ対策やサポート切れが迫るソフトウェアのアップデート、不具合発生時の調査への工数が、それ以上にかかってしまうこともあるからです。</p>
<p>今回は、弊社のように少人数でSaaSを運営している会社が、メンテナンス工数を安定化させるために何を考えているのかまとめます。本記事が皆さんの日常業務を見直すきっかけになれば幸いです。</p>
<h3>既存機能と新機能のバランスについて</h3>
<p>メンテナンスにかかる工数は、必要としているコンポーネント、依存しているライブラリの数によって大きく変わります。 まずは外部依存の少ない設計と、その最小限の依存関係におけるDRYなコードやテスト実装(複雑さをGUIに転嫁したローコードは目標としない)が基本です。</p>
<p>しかし、限界はあります。<br>
新機能の追加ばかりを優先してしまうと、管理対象が増加するため、その後で新しい挑戦をする余裕が失われます。逆に安全性と向き合う時間が増えすぎた場合は、新機能開発に打ち込めない期間が増えるため、プロダクト全体の成長やモチベーションに悪影響が出てしまいます。</p>
<h3>追加と削除はセットで考える</h3>
<p>必要なメンテナンスを行いながら無理なく計画を進めるためには、新機能の追加を考える際、代わりに何を手放すか、削除するかを同時に考慮しなければなりません。</p>
<p>弊社における直近の議論では、クラウド電話システム「CallConnect」の通話メモ入力欄で「タグ・メンションのプルダウン入力を追加すべきだ」という意見が出ました。<br>
しかし、コールコネクトの通話メモ入力欄には、既にキーボード操作に対応したタグ・メンション機能が存在します。機能として重複するため、ユーザーの画面にプルダウンが見えている必要性はどの程度あるか?既存機能を削除するのか?といった論点で話し合いが進みました。<br>
また、管理工数も問題になりました。既存機能を削除できない場合、増えた機能の分だけ、コードが増えてしまうからです。<br>
最終的にはプルダウン入力は追加せず、既存機能の仕様のままという結論になりましたが、常に追加と削除はセットで考えておく必要があります。</p>
<p>大概の議論であれば数分の話し合いで結論を出せますが、難しい話になると議論が長期化するため、コミュニケーションコストも考慮しなければならなくなります。</p>
<h3>重いけど削除はできないもの=再構成を検討</h3>
<p>削除できない重要な機能については、既存機能のメンテナンスを切り捨てて、より管理しやすい互換・上位機能を新しく作るという考え方もあります。広報的なインパクトは生み出せないかもしれませんが、その後の管理工数が減るのであれば、早めに行動するほどその後動きやすくなります。</p>
<h3>いつ考えるかが重要な管理対象もある</h3>
<p>一方で、対応がほぼ無期限で先延ばしになる管理対象も存在します。</p>
<p>例えば、UNIX時間表現における2038年問題については、直面する1~2年前から大掛かりな点検とアップデートを強いられるシステムも多くなるかと思います。また、対応後もすべてのコンポーネントが正しく動作する保証はありません。<br>
この問題については、かなり先の話である点と、各プロダクトだけを修正しても安全性を確保できない点があるため、今考えるべきではないと判断できます。</p>
<p>こういった管理対象については、一旦視野から外しておき、適切なタイミングになったら時間を取ることが重要になります。</p>
<h3>まとめ</h3>
<p>既存機能にもコストが発生することと、そのコストが増え続けることは無視できない問題です。判断を誤ると、よくわからない機能が増えて、代わりに人手が不足してしまいます。</p>
<p>私たちはコールコネクトの機能を設計・考慮していく中で、常々、管理対象が増えるかどうか、増えるのであれば何を削るかということを考えてきました。効率よく使っていただくためにも、冗長な機能は追加されないプロセスになっています。<br>
今後も、少人数だからこそチーム全体で開発意識や問題意識が合わせやすい点を強みとして、よりシンプルな機能提供を心がけていきます。</p>
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2023-12-27T03:49:21Z
2023-12-27T05:29:26Z
omaT1113
自己資金のみでSaaSを立ち上げて、メンバー5名でARR2億円を突破した話
<p><img src="/images/20231227142857.png"></p>
<p>こんにちは、小俣です。</p>
<p>クリスマスも終わって一気に年末ムードですね。<br>
ふとこれまでの振り返りブログを書いてみたくなったので、自社サービス(SaaS)の運営スタンス、ARR 2億円を突破するまでの過程で学んだことなどを簡単にまとめました。<br>
年末年始のお時間ある時に読んでいただけると嬉しいです。</p>
<hr />
<p><b>目次</b><br>
・selfree LLCとCallConnectについて<br>
・CallConnectはハッカソンから始まった<br>
・黒字化まで<br>
・ARR1億、2億円を達成するまで<br>
・失敗しながら学んだこと<br>
・おわりに</p>
<hr />
<br>
<h2>selfree LLCとCallConnectについて</h2>
<p>セルフリーは「愛される企業を増やす」を理念に、いわゆるスタートアップ的な成長志向ではなく、自分たちのペースで着実に成長することを志向している会社です。<br>
経営のコントロール性の観点などから、これまで外部からの資金調達はしておらず、「ブートストラップ経営」「スモールビジネス」という表現がマッチする会社形態になっています。</p>
<p>また、社内のコミュニケーションコストや管理コストが高くなることを避けたいので、できるだけ少ない人数で会社を運営する方針をとっています。</p>
<p>そんな私たちは、2015年からクラウド電話システム「<a href="https://www.callconnect.jp/">CallConnect</a>」を開発・運営しています。</br>
CallConnectは、企業の電話業務を効率化するのに役立つサービスで、ブラウザ・アプリ上での電話発着信はもちろん、通話録音や文字起こし、CRM連携などが可能です。</br></p>
<p>2分ほどの紹介動画があります。<br></p>
<script src="https://fast.wistia.com/embed/medias/1iwbvy31p2.jsonp" async></script>
<script src="https://fast.wistia.com/assets/external/E-v1.js" async></script>
<div class="wistia_responsive_padding" style="padding:56.25% 0 0 0;position:relative;"><div class="wistia_responsive_wrapper" style="height:100%;left:0;position:absolute;top:0;width:100%;"><span class="wistia_embed wistia_async_1iwbvy31p2 popover=true videoFoam=true" style="display:inline-block;height:100%;position:relative;width:100%"> </span></div></div>
<p></p></p>
<br>
<p>現在、CallConnectの有料ライセンス数は3,000を突破しており、利用継続率も97%ほどを維持できています。有料ライセンス数の推移は、こんな感じです。</p>
<p><img src="/images/20231225171320.png"></p>
<p>これまでの成長戦略は、少人数での運営を前提としているため、必然的にPLG(Product-Led Growth)となっていて、セルフサーブメインでやってきました。</p>
<p>ARR 2億円を突破したときの社員数は5名で、現在も引き続き5名体制を維持して、開発・運営を続けています。<br>
メンバー構成は、私も含めて、デザイナー1名、エンジニア2名、カスタマーサポート1名の計5名という構成で、開発業務はもちろん、サポート業務もすべて社内で完結させています。勤務時間は平日10:00~18:00で、原則残業なし、週40時間以内になるように無理なく働いている状況です。</p>
<br>
<h2>CallConnectはハッカソンから始まった</h2>
<p>創業メンバー3人で「何かストック型の事業を作りたいよね」と話していて、そんなときに見つけたのが、KDDIウェブコミュニケーションズ主催のハッカソン「Smart Communication Award 2015」でした。<br>
開催期間は2日間で、コミュニケーションAPIのTwilioを使うことが条件となっていました。
何か事業化するきっかけが掴めればと考え、ハッカソンへの参加を決めます。</p>
<p>ハッカソンでは、簡単なニーズ調査を行い、「〜にご用の方は1を」といったガイダンスを再生して、着信分岐させるIVRシステム(自動応答電話)を作りました。<br>
従来のIVRシステムは、高価で、導入も面倒だったため、それを安価に数分で導入できるという点を売りにしました。</p>
<h5>・ハッカソンで発表した際の製品画面(IVR設定画面)<br></h5>
<p><img src="/images/20231225171333.png"></p>
<p>審査の結果、優秀賞という一定の評価をいただきました。<br>
自分たちの中にも「電話対応を効率化したい」という想いがあったので、せっかくならこれを事業化してみようという話になりました。<br>
それから3ヶ月間で課金機能の実装などを行い、2015年7月の正式リリースに至ります。<br></p>
<h5>・リリース初期のLPトップ</h5>
<p>当時は、“自動応答電話”を打ち出していました。</br>
<img src="/images/20231225171326.png"></p>
<br>
<h2>黒字化するまで</h2>
<p>実際に売り出してみたものの、リリースしてからの数ヶ月は鳴かず飛ばずでした。</p>
<p>この時期は、顧客獲得のために以下のような取り組みをしていました。</p>
<ul>
<li>IT企業やコールセンター事業者を対象に1通1通メールを送る</li>
<li>セミナーへ登壇したり、勉強会を主催したりして情報発信する</li>
<li>ブログ記事を書く</li>
</ul>
<p>なかなか導入企業は見つかりませんでしたが、顧客獲得に動く中で以下のようなニーズを知ることができました。</p>
<ul>
<li>IVR機能は、コールセンターシステム・電話システムの一機能。電話の発着信機能をもっと手軽に導入したいニーズの方が深い。</li>
<li>従来の電話システムだと、通話録音・通話履歴の管理ができない。できても高価。</li>
</ul>
<p>このようなニーズを踏まえて、“クラウド電話システム”としてリニューアルすることを決めます。<br>
IVR機能は残しつつ、ブラウザ上での電話の発着信機能や、通話録音、通話履歴の管理機能を追加し、2015年9月ごろに大幅リニューアルを終えました。</p>
<p>その後、メールマーケティングはあまり成果が得られず早々に終了しましたが、ネット検索からの流入やイベント経由で新規導入を増やしていくことになります。</p>
<p>機能開発部分では、リリース後1年間で、Salesforce、kintone、Slack、Zendesk連携などをリリースし、リリースから1年が経った頃には、60社ほどの有料契約を獲得、MRRは50万円ほどになりました。</p>
<p>しかし、まだまだCallConnectからの収益だけでは生活ができなかったため、創業メンバーの3人それぞれが自身の貯金を食いつぶしながら生活していました。</p>
<p>そんな生活を1年半ほど続けた結果、2017年1月にやっと初めての給料(15万円)を出せるようになり、なんとか黒字化まで漕ぎつけます。<br>
起業時から“自社サービスで生計を立てること”はひとつの夢だったため、この時の感動は今でも記憶に新しいです。
</br></p>
<h2>ARR1億、そして2億円を突破するまで</h2>
<p>黒字化を達成してからは、急成長というわけではないものの毎年増収増益となり、少人数を維持したまま、ARR1億円、そして2億円を突破できました。</p>
<p>このときの成長を支えたのが、以下のような取り組みです。</p>
<p><b>1. 会って話す</b></br>
とにかく、見込み顧客、既存顧客と会って話すことに多くの時間を使いました。</br>
これにより、顧客ニーズを深く知ることができ、自信を持ってプロダクトを磨き上げることができました。あとでわかったのは、実際に会いに行った顧客の多くは、より活用が進み、長く使い続けてくれたということです。</p>
<p><b>2. オウンドメディアで情報を発信する</b></br>
カスタマーサポートをメインテーマに扱う「<a href="https://www.supporttimes.com/">SUPPORT TIMES</a>」というメディアを立ち上げました。<br>
外部のライターさんには記事作成を依頼せず、自分たちが学んだことを記事にすることにして、立ち上げから1年半が経った頃には360記事ほどをアップしています。<br>
これにより、コールセンター業務やカスタマーサポート業務への理解が深まっただけでなく、結果的にリード獲得のチャネルにもなりました。また、イベント取材などを通して、各社のカスタマーサポート業務における課題も把握でき、プロダクト改善のきっかけを得ることができました。</p>
<p><b>3. ユーザーミートアップを開催する</b></br>
リリースから2年が経ったタイミングで、初めてのユーザーミートアップを企画しました。<br>
導入企業数はやっと100社を超えたくらいのタイミングだったので、都内のイベント会場まで足を運んでくれるかという不安はありました。<br>
しかし、仮に数名だったとしても、わざわざ会場まで足を運んでくれるユーザーさんがいるのであれば、直接コミュニケーションを取りたかったため、開催を決めます。
結果として、熱烈にプロダクトを推奨してくれるエバンジェリストの方々が見つかったり、事例インタビューに協力してくれる企業が見つかったりと、サービス成長のエンジンになりました。</p>
<br>
<p>しかし、サービスが成長し、顧客が増える一方で、少人数体制を維持するには、問い合わせ数の増加を抑える必要がありました。<br>
これを実現するために、以下のような取り組みを継続してきました。</p>
<ul>
<li><p>プロダクトをとにかくシンプルにする</br>
ユーザーが迷わない製品を作ることが何より大切です。安易に機能を追加したり、文言を追加したりしないようにし、説明がなくても自然と使い方がわかるようなUI/UXを考えることに時間を使ってきました。<br>
製品がシンプルであれば、ユーザーが迷う回数は減るため、顧客数の増加に比例して問い合わせ数も増えるといった事態は防ぎやすくなります。</p></li>
<li><p>ヘルプセンターなどの自己解決できる導線を拡充する</br>
問い合わせをゼロにすることは難しいので、困ったときには自己解決できるようにいくつかの導線を準備しました。CallConnectでは、これまでヘルプセンターの記事や動画コンテンツの拡充に注力してきました。</br>
<a href="https://callconnect.zendesk.com/hc/ja">ヘルプセンター</a>:170記事ほどを公開中。</br>
<a href="https://www.callconnect.jp/movies">動画</a>:音声ナレーションに合成音声を使い、12個ほどを公開中。</p></li>
</ul>
<p>結果的に、問い合わせ数をほとんど増やさずにサービスを成長させることができています。<br></p>
<p><img src="/images/20231226150617.png"></p>
<br>
<h2>失敗しながら学んだこと</h2>
<p>現在は10期目に入っていて、自分たちが理想とする会社運営や働き方を体現できつつありますが、これまで失敗したことや結果に繋がらなかったことは多々あります。</br>
それらから学んだことや、これまで意識してきたことをまとめます。</p>
<h4>・製品をとにかくシンプルに</h4>
<p>シンプルさを保つのは簡単ではありません。サービスを作り始めると、あれもこれもと色々な機能が必要だと考えがちです。</br>
たしかにあれもこれも解決できるというと聞こえはよくて、色々な顧客層を取り込める気がしますが、「どんな課題を簡単に解決できるサービスなのか」が曖昧になるだけです。また、開発やサポートにも多くの人員が必要になってしまい、少人数での運営も難しくなってしまいます。</p>
<p>あれもこれもという考えは自分たちの首を絞めることになると知り、今後も新機能を追加するよりも、既存機能を削ること、洗練させることを意識し続けたいと考えています。</p>
<h4>・全員がカスタマーサポート担当者</h4>
<p>より良いサービスを届けるためには、顧客を深く理解することが重要です。</br>
顧客は普段どんな使い方をしていて、どんなことに疑問を持つのか。これらを正確に把握できているかどうかで、機能開発やUI/UXの質は大きく変わります。</p>
<p>セルフリーでは割合こそ違いますが、メンバー全員がカスタマーサポート業務を担当します。サポート受付時間は平日10時から18時までで、サポートチャネルは電話とメールです。
今後もメンバー全員が顧客の声を正確に聞くことを心がけたいと思います。</p>
<h4>・制約こそ創造性の源泉</h4>
<p>これまで私たちは、限られた人・時間・資金の中で、自社サービスを運営してきました。
その中で感じたのは、「少ないというのは必ずしも克服しなければならない状態ではなく、喜んで受け入れてもいい状態である」ということです。</p>
<p>確かに資源が少ない状態では、何かしらの制約が発生します。</br>
しかし、その制約をむやみに遠ざけたり、恐れたりする必要はありません。なぜなら、人は制約によって創造性を働かせて、物事を進展させることができるからです。資源が限られていれば、当然無駄なことに時間やお金を使うわけにはいきません。否が応でも頭を使い、本質的な物事に集中します。</br>
今後使える資源が増えたとしても、制約は創造性の源泉だということを忘れずにいたいです。</p>
<h4>・見せかけの目標はいらない</h4>
<p>私たちに売上目標はありません。サービス運営の健全性を測る指標はいくつかあるものの、1年後、5年後に〇〇億円といった目標はありません。</br>
私たちは、目の前のユーザーさんにしっかりと貢献すること、価値あるものを提供することによって、継続的に利益を出すことが重要だと考えています。</p>
<p>誰のための目標なのか、どういった根拠でその目標が設定されているのか。</br>
大して意味をなさない目標を立ててしまい、何がなんでもその目標を達成することになれば、時に無理に製品を売りつけたり、解約しづらくしたりすることも良しとされてしまうかもしれません。</br>
私たちは、大きな方向性だけ決めて進み、メンバーや顧客にとって価値のある意思決定を積み重ねていきたいと思います。</p>
<h4>・疑ってかかる</h4>
<p>世の中は成功者の言葉で溢れています。経営戦略や採用手法など、正攻法といえるセオリーは存在するでしょう。</br>
しかし、それらを鵜呑みにする必要はありません。そもそも企業ごとに目指す場所、目的が違います。手法として正しかったとしても、“自分たちにとって正しいか”はわかりません。</br></p>
<p>業界の第一人者や著名人が何を言おうと、疑ってかかることが大切です。</br>
安易に信じすぎていないか。信じるという言葉を使って、考えることを放棄していないか。自分たちにとっての正しさや成功は、自分たちで考え、自分たちで見つけるものです。</br>
疑うことは、物事を深く理解する上で欠かせない行為であって、自分たちの目的と真摯に向き合うことだと考えています。</br>
聞こえのいい言葉に流されないように、これからも懐疑的な見方を大切にしていきたいです。</p>
<h4>・快適なペースで働く</h4>
<p>経営はよくマラソンに例えられますが、特にSaaSを成長させるには時間がかかります。</br>
だからこそ、息を止めて走るのではなく、自分が呼吸していることを意識できるくらいのペースで長く走り続けることが大切です。これはサービスの継続性を高めるためでもあり、メンバーひとり一人が“仕事以外の時間を楽しむ余裕を持つため”でもあります。</br>
現状に甘えず、成果にこだわるのは当たり前としても、途中で力尽きて倒れないように、心身の健康を保てるちょうどいいペースを見つけなくてはいけません。成長速度や働き方を自由度高く、マイペースに色々と調整しやすいのも、自己資金でやっている良さだと感じています。</p>
<p>これからも快適に働ける環境を整えながら、メンバーひとり一人が仕事以外の時間にも集中しやすい“余裕のある体制”を作っていこうと思います。</p>
<br>
<h2>おわりに</h2>
<p>大きな成果は、日々の小さな積み重ねの結果に過ぎません。日々の小さな積み重ねを大切に、やるべきことを粛々と進め、さらなる成長を遂げていきたいと思います。</p>
<p>私たちは、これからも少人数で大きな成果を出すというスタンスで、自分たちらしくサービス運営を続けていきます。この記事が、私たちと同じようなやり方でサービス運営をしたいという人の参考になれば、非常に嬉しいです。</p>
<p>この記事は、毎年書いている周年ブログの内容を取りまとめて、再編集したものになっています。</br>
もし過去の記事にもご興味があれば!ひとまず直近3年分を貼っておきます。<br>
<a href="/articles/2023/07/02/%E4%BB%8A%E6%97%A5-%E8%B5%B7%E6%A5%AD%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%A1%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%A99%E5%B9%B4%E3%81%8C%E7%B5%8C%E3%81%A1%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F">今日、起業してちょうど9年が経ちました。</a><br>
<a href="/articles/2022/07/02/%E4%BB%8A%E6%97%A5-%E8%B5%B7%E6%A5%AD%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%A1%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%A98%E5%B9%B4%E3%81%8C%E7%B5%8C%E3%81%A1%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F">今日、起業してちょうど8年が経ちました。</a><br>
<a href="/articles/2021/07/02/%E4%BB%8A%E6%97%A5-%E8%B5%B7%E6%A5%AD%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%A1%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%A97%E5%B9%B4%E3%81%8C%E7%B5%8C%E3%81%A1%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F">今日、起業してちょうど7年が経ちました。</a></p>
<p>では、みなさん、良いお年をお迎えください!</p>
urn:uuid:e390ad37-ef87-4de4-a714-60491193de89
2023-11-06T05:48:43Z
2023-11-06T13:03:47Z
omaT1113
selfree LLCに入社しました!(エンジニア 西口)
<p>はじめまして、西口です。セルフリーのエンジニアとして2023年9月から入社しました。</p>
<h2>自己紹介</h2>
<p><img src='/images/20231106144609.jpg' /></p>
<p>以前の職場でTwilioを用いた内製コールセンター開発をしていました。直近ではWebRTCプロダクトのテクニカルサポートも行っており、電話やWebRTCといったリアルタイムでやり取りするプロダクトに関する開発やサポートなどに携わっていました。</p>
<p>業務経験は下記の通りです。</p>
<ul>
<li>言語:PHP, JavaScript</li>
<li>サービス:Twilio, Zendesk</li>
<li>Chrome拡張機能開発(manifest v2時代)</li>
</ul>
<p>Ruby on Railsは業務経験がないので、勉強を進めています。</p>
<h2>セルフリーに入社したきっかけ</h2>
<p>代表の小俣さんからお声がけいただき、まずは業務委託から始めました。<br>
週2日稼働の月間8日といった少ない稼働日でも快く受け入れていただき、ありがたかったです。その少ない稼働日の中でもコールコネクトのシステム全体図や普段の運用について、エンジニアの牧さんの手厚いオンボーディングがあり、入社後のイメージが付きました。業務委託中も、Google Meetで同期的に不明点に関するサポートをいただきました。</p>
<p>私が過去に内製コールセンターの開発・運用をしていた頃からセルフリーの存在は知っていて、小俣さんをはじめ、社員の方とも親交がありました。前職でやりたいことはやって、一区切り着いたなと思っていて、小さな組織で大きな仕事をしているセルフリーに入るなら今がチャンスだと思いました。</p>
<p>業務委託中に技術的な面だけでなく、小俣さんから数値的な部分や採用フローについて詳しく聞かせてもらったことで不安がなくなり、入社後のイメージも付いたため、入社を決めました。</p>
<p>技術的にはRuby on Railsやネイティブアプリにも携われるので、スキルの幅が広がるのもうれしいところです。</p>
<h2>セルフリーでの今後</h2>
<p>コールコネクトは、パソコンだけで電話ができることが特長のプロダクトです。<br>
電話はインフラであるという意識を持ち、サービスの安定性を高めていきます。さらに電話だけでは実現できない機能や体験をコールコネクトで提供できるよう開発をしていきたいです。</p>
<p>Ruby on Rails は勉強中で、多くのコミュニティやイベントがあるのでこういった外部への露出もしていくよう計画しています。すでにいくつかのイベントに参加し、活発な地域コミュニティが多く、驚きました。</p>
<p>顧客に寄り添うよりよいプロダクトに改善できるよう技術的なインプットを行い、プロダクト改善へ活かしていきます。<br>
また、Rubyやカスタマーサポート/サクセスのコミュニティにも参加して、まだコールコネクトを使っていないユーザーにもサービスを届けられるよう存在感を出していきます。</p>
urn:uuid:ebab3dd4-3fe9-4ab0-a9cc-816c8c53a806
2023-10-10T02:46:34Z
2023-10-10T08:05:09Z
omaT1113
リモートワークでSaaS運営がうまくいく理由
<p><img src="/images/20231010114207.jpg"></p>
<p>こんにちは、畠です。<br>
合同会社selfreeは、コールコネクトという電話のSaaSを運営しながら、コロナ以前からフルリモートで働いている会社です。私もかれこれ6年ほど、リモートワークを実践してきました。</p>
<p>コロナが落ち着き、オフィス回帰の流れもありますが、
私はリモートワークだからこそSaaS運営がうまくいくポイントがあると考えています。</p>
<p>まず、Saas運営においては、“プロダクトが優れていること”こそが最重要です。</p>
<p>プロダクトが優れていれば、下記の3つのメリットがあるからです。</p>
<h3>1.顧客獲得のコストを下げられる</h3>
<p>プロダクトが優れていれば、見込み顧客がプロダクトを試した際にすぐにその良さを実感してもらうことができ、契約率が高まります。<br>多くのセールス人員を抱えて、ガツガツとプロダクトを売り込まなくても一定の売上成長が見込めるため、人的コストを下げることができます。</p>
<h3>2.お問い合わせなどの対応コストを下げられる</h3>
<p>プロダクトが理解しやすいものであれば、一定のユーザーは自分で学び、自社に合った使い方をしてくれます。<br>
しかし、プロダクトが複雑でわかりづらいものであれば、「これは何の機能ですか?」といった基本的な質問に毎回のように答える工数が発生したり(=お問い合わせのコスト増)、自分のやりたかったことが実現できないと思い込んだりするなど、解約のリスクも高まります。</p>
<h3>3.運営メンバーの学習コストを下げられる</h3>
<p>新しいサポート担当者が入社しても、すぐにプロダクトを理解でき、社内教育の工数を下げることができます。<br>
また、サービスの仕様を網羅的に理解しやすくなれば、各ユーザーに最適な使い方などを提案しやすくなります。</p>
<p>プロダクトを優れたものにすることで、最低限のメンバーや工数でコンパクトにSaaSを運営できるのです。</p>
<p>そして、プロダクトをより優れたものにするためには、精度の高い意思決定を高速で行い、開発やデザインなどの業務に多くの時間を充てることが重要です。
そのための環境作りにはリモートワークが最適だと考えています。<br>
なぜかというと、出社に比べてコミュニケーションのサンクコストが低い、非即レスによる開発効率アップ等が期待できるからです。</p>
<h1>コミュニケーションのサンクコストが低い</h1>
<p>例えば、基本的に出社前提の会社で会議をすることになった場合、まずは会議室が空いているかを確認する必要があります。<br>
また、会議室で予定時間がきてしまえば、せっかく内容が詰まってきていたのにまた改めてといったように分割されてしまうこともあるでしょう。</p>
<p>しかし、リモートワークであれば会議室を押さえる必要はありません。急ぎであればメンションを飛ばして、反応があればその場で会議することも可能です。全員がオンライン前提なので、反応も早いことが多いです。<br>
また、会議の時間も状況に応じて延ばすこともできます。</p>
<p>会議やコミュニケーションをするためのサンクコストが低いことは、大きなメリットです。リモートワークでは必要だと思ったら気軽にコミュニケーションをとることができます。<br>
コミュニケーションのコストが下がることで、無駄なく意思決定がしやすくなるでしょう。</p>
<h1>非即レスによる開発効率アップ</h1>
<p>サービス開発においてまとまった時間を確保することは、開発効率をあげることにつながります。</p>
<p>例えば、エンジニアはしばらく集中してコードを書いていると フロー(集中している)状態になります。その状態で差し込みタスクが入れば、再度フロー状態に入るのに時間を要します。<br>しかしながら、オフィスで目の前に人がいれば、いつでも話しかけられる環境になります。話しかけられれば、内容の大小に関わらず強制的に作業を中断せざるをえなくなってしまいます。<br>
リアルな場では、声かけを無視するわけにはいかないため、すべての会話で少なくとも最初の返事をすぐにしないといけません。</p>
<p>しかし、リモートワークであれば、他のメンバーから連絡がきた際に即レスしなかったとしても、問題にはなることは少ないでしょう。作業をしていて、自分の切りの良いところまでコードを書いてから返事をするくらいの猶予はあります。(もちろん緊急事態であればメンションを飛ばしたり、電話をかけて話したりという機会はあります。)<br>
この猶予があるかないかは、開発や作業の効率に大きく影響するのです。そして、開発効率があがればプロダクトが改善されるスピードがあがり、優れたプロダクトにつながっていくのです。<br>
参考:<a href="https://www.blockchainengineer.tokyo/entry/makersschedule">「マネージャーは1時間単位でタスクにあたるが、エンジニアはまとまった半日単位の時間がある方が良い」話について</a></p>
<h1>落ち着いて議論できることが精度の高い意思決定につながる</h1>
<p>対面とビデオでは、対面の方が緊張感が発生しやすいケースが多いように思います。
例えば、社長室に出向いて説明するのと、ビデオツールで役職に関係なく同じ大きさのビデオサイズで並んで話すのでは、
前者の方が緊張感が増すはずです。</p>
<p>たしかに実際に会った方が熱量が伝わりやすく、プレゼンがうまい人は身振り手振りを交え、意見が通りやすくなるかもしれません。しかし、実際に近い距離で議論することで、感情的になってしまうこともあるでしょう。<br>
ただ、会社の意思決定としてはフラットに一番良い意見を判断して、実行していくことの方が重要です。<br>
リモートワークは緊張や感情を抑え、落ち着いて議論しやすい環境だと思います。</p>
<h1>リモートワークは従業員の人生を豊かにする</h1>
<p>昨今リモートワークをしていたIT企業でオフィス回帰の流れが見られますが、少なくとも「有名企業がそうしているから」という理由だけで自社においても出社を求めるのは避けたいところです。<br>
会社によってはリモートワークの方がフィットしている場合もあり、なんとなくで出社前提の働き方に戻してしまうと、従業員の不満を招き、生産性低下につながるリスクもあります。</p>
<p>何より出社を前提とすると、準備や通勤で往復2時間程度を毎日費やすことになります。<br>
リモートワークであれば、その2時間を家族との時間や自己研鑽に充てられます。
それが毎日となると、年間で数百時間となり、人生に影響するほどのものになるでしょう。</p>
<p>企業としても従業員に自由な時間を多く与えることで、エンプロイーサクセスにつながり、離職率の低下などのメリットにもなります。何より、従業員の人生を豊かにしているということは素晴らしいと思います。</p>
<p><img src="/images/20231010114404.jpg"></p>
<p>リモートワークを実践することで、より良いSaaS運営・ライフスタイルの実現を目指してみてはいかがでしょうか?</p>
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2023-09-19T04:25:22Z
2023-09-19T04:25:22Z
m-yukinaga
有給休暇を積極的に活用する
<p><img src="/images/20230915174742.jpg"></p>
<p>今回は、有給休暇を率先して活用してみた経験談を記事にしました。<br></p>
<h3>有給休暇は使わなければ貯まる一方</h3>
<p>selfreeは5名だけの小さな会社ですが、有給休暇はとりやすい環境です。<br>
※ただし同日に複数人がお休みをとることは難しいため、休み希望は早めに出しつつ調整をする必要があります。<br></p>
<p>selfreeで勤務するようになった当初は、あまり有給休暇をとる習慣がなく、有給休暇は体調不良などの際に使うものと認識していました。<br>
とはいえ、使わない限りは有給休暇が貯まるいっぽうなので、思い切って定期的にとってみることにしました。</p>
<h3>実際にやってみたこと</h3>
<p>だいたい2週間に1回、平日の水曜日か木曜日をお休みにするようにしました。<br></p>
<p>selfreeは土日祝が休みなので、月曜日や金曜日を休みにすると連休にできるのですが、平日に連続して働くのではなく、間に休みを挟む形にしました。</p>
<p>余談ですが、他社で週休3日を導入して生産性が高まったという記事を見たことがあったため、平日の半ばに有給休暇を入れるようにしてみました。<br></p>
<p>有給休暇を定期的にとるようになったため、休みの計画を立てるようになりました。<br>
できればやりたいと思うようなことが積み重なることは、私にとってはとてもストレスになってしまいます。<br>
そのため、旅行のような大きなイベントごとではなく、時間がかかるので後回しになっていて、毎日はできないキッチンやお風呂場の細やかな掃除などをする計画を立てました。<br></p>
<p>あらかじめ有給休暇の日にやることを決めていれば、その他のことで予定が埋まることは避けたいですよね。<br>
なので、仕事のスケジュールも休みを加味して決めるようになり、一週間のスケジュールが普段よりもしっかりと頭に入るようになりました。</p>
<h3>有給休暇を使ってみて</h3>
<p>何回か有給休暇をとってみて、もっと前からとっておけばよかったなと感じました。<br>
通常の土日の休みはありがたいことに友達や家族から外出の誘いを受けることも多いため、できればやりたいなと思うことは後回しにしがちでした。<br></p>
<p>しかし、自分で有給休暇を使って時間を作ることで、私にとってはストレス発散になる1日を過ごすことができるようになりました。<br>
ちなみにですが、休みの当日になって掃除の気分ではなくなった場合は、猫と遊んだり、お昼寝したりと、その時にやりたいことを優先しました。<br>
必ずやらなくてはいけないことを、休みの計画に入れないことも大切かもしれません。<br></p>
<h3>最後に</h3>
<p>selfreeは有給休暇をとりやすい文化のため、行動しやすいですが、企業によってはとりにくい場合もあるかと思います。<br>
毎日かなり忙しく過ごしている人であれば、なおさら有給休暇を申請するだけでも勇気がいるかもしれません。<br></p>
<p>たった1日、されど1日の休みで自分が何を得られるかをまだ把握できていない状況なのであれば、1回でもいいので、有給休暇をとってみることをおすすめします。<br></p>
<p>もちろん、有給休暇をとることがプラスにならない可能性もありますが、自分自身に良い影響があることを選択できるよう様々な方法を試してみていただければと思います。<br></p>
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2023-07-02T00:34:10Z
2023-07-02T00:39:57Z
omaT1113
今日、起業してちょうど9年が経ちました。
<p>「Stay small.」<br>
私たちは、あえて少人数・小規模を維持することで、過度なストレスや無駄な労力をなくし、快適なペースを保って働いてきました。9年前の今日から少数精鋭での会社運営を志向して、それを体現できつつあるのは、とても喜ばしいことです。<br>
そして、派手さはなくても、着実にサービスを成長させ、会社運営を続けることができています。</p>
<p>これまで私たちに関わってくださった方々には感謝しかありません。<br>
いつもありがとうございます。</p>
<p>今日は、近況報告を兼ねて、この1年の振り返りをまとめたいと思います。</p>
<br>
<h2>会社運営について</h2>
<p>現在も5人という少人数で、クラウド電話システム「<a href="https://www.callconnect.jp/">CallConnect(コールコネクト)</a>」の開発、セールス、カスタマーサポートなど、あらゆる業務を行っています。9期もおかげさまで増収増益となり、着実に成長できました。<br>
今後も自分たちらしい会社運営のあり方を大切に、進んでいきたいと思います。</p>
<p><img src="/images/20230627153245.png"></p>
<h4>・フルリモートワークの継続</h4>
<p>私たちは、新型コロナの感染拡大前からリモートワークを実践してきたため、かれこれ5年ほどリモートワークを続けています。日々の何気ない雑談が少なくなりがちといった課題もありますが、終礼時に雑談の時間を作るといった工夫をしながら、今後もこの働き方を続けていきます。</p>
<p>また、フルリモートで働いているとはいえ、まったく会わなくていいとは考えていません。<br>
直接会って、交流することで、お互いの考えや人となりを知り、日頃の円滑なコミュニケーションに繋げています。<br>
オンラインで採用した各地のメンバーに会う機会をなかなか作れていませんでしたが、先月、富山と島根にいるメンバーと直接会って話すことができました。<br>
これからもうまくオンラインとオフラインを使い分けて、チームワークを高めていきたいと思います。</p>
<h4>・エンジニア採用の開始</h4>
<p>今年の5月から、3人目のエンジニアメンバーを迎え入れるべく、採用活動を始めました。<br>
コールコネクトは、ウェブだけでなく、iOS・Androidアプリも提供しているため、各エンジニアメンバーの専門性を伸ばせる体制を作りたいと考えています。</p>
<p>採用活動においても、フルリモートという働き方の恩恵を受けています。<br>
私たちのような知名度のない小さな会社では、いざ採用しようとしても、なかなか興味を持ってもらえません。<br>
ただでさえ候補者の母数が少ないのに、もしオフィス勤務を前提としていたら、居住地に制限がかかり、さらに母数は減っていたでしょう。そんな中、一昨年、昨年と新たなメンバーに巡り合えたのは、場所を気にせずに働けるフルリモートだったからです。</p>
<p>“小さなチーム、大きな仕事”に共感できる方や、“短期急成長より、長期的に着実に成長していきたい“という方にはマッチするカルチャーだと思います。<br>
興味を持っていただけたエンジニアの方がいましたら、ご連絡いただけると嬉しいです。<br>
<b><a href="/recruit">→採用情報</a></b></p>
<br>
<h2>クラウド電話システム「CallConnect」について</h2>
<p>CallConnectは、サポート業務やインサイドセールスに最適な電話システムで、PCとインターネットがあればどこからでも利用できます。 <br>
有料ライセンス数は3,000を突破し、利用継続率も97%と高い水準を維持できています。ARR 2億円を突破したときの社員数は5名で、「少人数で大きな成果を出す」ということを体現できるようになってきました。</p>
<h4>・Androidアプリのリリース</h4>
<p>CallConnectは、数年前まではPCブラウザでのみ電話発着信が可能でした。<br>
しかし、“出先で電話対応したい”といったニーズが出てきたこともあり、2021年にiOSアプリをリリースし、2022年9月にAndroidアプリもリリースしました。</p>
<p>新しい技術への挑戦とはなりましたが、2021年に入社したエンジニアの牧が中心となって開発を行い、無事にリリースできました。<br>
これからも新たな技術を取り入れながら、CallConnectを改善し続けます。</p>
<p><a href="https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.callconnect&pli=1"><img src="/images/20220915162947.png"></a></p>
<h4>・チュートリアル動画の拡充</h4>
<p>“より直感的に、視覚的にサービスを理解できる場を作りたい”という考えで、2023年4月にCallConnectのチュートリアル動画を公開し、<a href="https://www.callconnect.jp/movies">動画ページ</a>を開設しました。<br>
日頃から直感的なUI・UXを意識しているものの、どうしても説明が必要になる機能もあります。</p>
<p><a href="https://www.callconnect.jp/movies"><img src="/images/20230407155840.png"></a></p>
<p>しかし、動画を作成するにあたって、自分たちで原稿を読み上げてナレーション音声を作ろうとしていたために、動画のメンテナンス性が落ちることが課題となり、なかなか進められていませんでした。<br>
その解決策として、CallConnectの自動応答ガイダンス設定でも使われている「機械音声(合成音声)」を活用する方法に辿りつきました。機能アップデートに合わせて、動画も更新しやすくなったため、今回の動画公開・ページ開設となりました。<br>
“最小限の工数で、より多くのお客様に必要な情報を届ける手段”として、今後もチュートリアル動画を活用し、わかりやすい情報発信を実現します。</p>
<br>
<h2>9期を振り返って</h2>
<h4>・見せかけの目標はいらない</h4>
<p>私たちに売上目標はありません。サービス運営の健全性を測るいくつかの指標はあるものの、1年後、5年後に〇〇億円といった目標はありません。<br>
私たちは、目の前のユーザーさんにしっかりと貢献すること、価値あるものを提供することによって、継続的に利益を出すことが重要だと考えています。</p>
<p>誰のための目標なのか、どういった根拠でその目標が設定されているのか。<br>
ユーザーさんや一緒に働くメンバーにとって、大して意味をなさない目標を立ててしまい、何がなんでもその目標を達成することになれば、時に無理に製品を売りつけたり、解約しづらくしたりすることも良しとされてしまうかもしれません。</p>
<p>私たちは、大きな方向性だけ決めて進み、ユーザーさんやメンバーにとって価値のある意思決定を積み重ねていきたいと思います。</p>
<h4>・学びながら進む</h4>
<p>何かを始めるにあたって、準備が万全になることはありません。<br>
創業期に求められるスキルと、ある程度成長したタイミングで求められるスキルが違うように、常に求められることは変化します。<br>
例えば、私自身が創業期に価値を発揮できていたとしても、会社の成長やステージの変化に合わせて知識やスキルをアップデートできなければ、創業メンバーだろうと、今の会社においては価値を発揮できない人材となってしまいます。<br></p>
<p>未経験の分野でも、好奇心を持って学ぶこと。<br>
自分に悪い癖があるのであればそれを真摯に受け入れ、改善すること。<br>
大切なのは、学びながら進むということです。</p>
<p>現在、採用活動をしていますが、新メンバーに対して、入社後すぐの成果は求めていません。<br>
最低限の知識やスキルは大切ですが、それ以上に何事にも好奇心を持って取り組めるか、学習意欲があるかといった点の方が重要です。<br>
大企業で求められる能力と、私たちのような小さな会社で求められる能力は違いますし、状況に応じて求められる役割も変化します。<br>
会社としても、学習しやすい環境を整え、事業の成長に合わせて一人ひとりが適切に変化できる体制を作っていきます。</p>
<br>
<h2>おわりに</h2>
<p>いよいよ10期目に突入します。<br>
毎年この日になると感慨深い気持ちになりますが、後悔を残さないように、これからも「今」と向き合い、目の前の物事をやり抜いていきたいと思います。</p>
<p>そして、自社を取り巻く環境も色々と変化していきますが、10期目も「愛される企業を増やす」を企業理念に、より良いサービスを提供し、自分たちなりの成功を目指して地道に進んでいきます。</p>
<p>引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。</p>
<p>2023年7月2日<br>
selfree LLC 代表 小俣隼人</p>
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2023-03-06T08:14:59Z
2023-03-06T08:14:59Z
omaT1113
私たちが「ベストオブブリード」を志向する理由
<p>こんにちは、小俣です。</br>
私たちの会社では、日ごろから多くのSaaSを利用しています。また、私たち自身が「<a href="https://www.callconnect.jp/">CallConnect(コールコネクト)</a>」というコールセンターSaaSを提供する事業者でもあります。</p>
<p>SaaSの利用者側/提供者側の両方の立場がありますが、共通して大切にしている考え方があります。</br>
それは「Best of Breed (ベストオブブリード)」です。</p>
<h2>Best of Breed と Suites(All-in-One)</h2>
<p>システムを構築・運用する際、複数ベンダーの製品を組み合わせて利用するアプローチを「Best of Breed (ベストオブブリード)」といいます。</br>
一方で、単一ベンダーの多機能な製品を利用するアプローチを「Suites (スイート)」といいます。</p>
<p>それぞれにメリット・デメリットが存在し、どういう志向性を持つかによって製品の開発戦略なども変わります。</br>
そのため、SaaSを利用する側としても、提供する側としても、どういう志向性を持つかには自覚的である必要があります。</p>
<p><img src ="/images/20230304120816.png"></p>
<h2>CallConnect = ベストオブブリード型のソリューション</h2>
<p>2015年にリリースしたCallConnectは、電話領域に特化したソリューションです。</br>
“あれもこれも”とあらゆる課題を解決しようとはせず、特定のニーズに絞って、とがらせる意識で改善、提供してきました。</p>
<p>お金や時間は有限で、いくら量でカバーしようとしても優先順位が生まれ、どうしても後回しになる機能・領域が出てきます。</br>
多機能だけど中途半端な製品になるくらいであれば、機能は少なくても特定の課題をどこよりも早く簡単に解決できる製品を作りたいと考えました。</p>
<p>私たちはどんどんと人員を増やす方針でもないため、量でなんとかしようという考え方自体がマッチしないという背景もあります。</p>
<p>また、CallConnectは、カスタマーサポートやインサイドセールスにおける電話対応でよく使われます。</br>
それらの業務においては、通話履歴をCRMに集約したり、チャットツールで共有したりと、データ連携・統合の重要性が非常に高いです。</p>
<p>そのため、リリースしてから半年後には、APIやWebhookの提供を開始し、さまざまな外部ツールと組み合わせて利用できるようにしました。</br>
その後も、HubSpotやSalesforce、Slackなどさまざまな他社サービスとの連携機能を提供し、連携性を高めていきました。</p>
<p>リリース初期からベストオブブリードの考え方を持ち、他社サービスとの連携性を重視したこともあってか、他社サービスと一緒に検討していただく機会が増え、結果的にCallConnectの認知拡大につながりました。</p>
<h2>利用者の立場でも「ベストオブブリード」</h2>
<p>SaaSを利用する側としても「ベストオブブリード」の考え方で、さまざまなツールを組み合わせて利用しています。</br>
CRMはHubSpot CRMを使い、メールサポートにはZendesk Support、電話サポートにはCallConnectといったように、それぞれの分野で自社のニーズにマッチした最適なツールを使っています。</br>
一般的にこのような運用では「データのサイロ化」が問題になりがちですが、これまで連携性を重視してCallConnectを提供してきた経験もあり、こうした問題を抱えずに運用できています。</p>
<h2>餅は餅屋</h2>
<p>私たちがベストオブブリードを志向する背景には、“顧客の課題をどのように解決したいか”という私たちなりの理想像がありますが、“餅は餅屋”というように、業務課題の解決はその道の専門家に任せるのが一番だという考えがあります。</p>
<p>電話のことなら電話に知見の深い企業に、メールのことならメールに知見の深い企業に。</br>
Suitesの志向で作られた製品を使って、なかなかアップデートされない機能に不満を抱くというのはよく聞く話です。</br>
SaaSを提供する側としても、自社のコア領域が何かを自覚して、その強みにフォーカスすることで他社にはない強みを築いていきたいと考えています。</p>
<h2>おわりに</h2>
<p>「ベストオブブリード」と「スイート」それぞれに、メリット・デメリットがあります。</br>
私たちには「ベストオブブリード」が合っているというだけなので、企業ごとにどういう志向性を持って、製品を開発するか、他社のサービスを使うかは当然異なります。</p>
<p>ただ、製品を買ったところから関係性が始まるサブスクリプションの時代において、相手の志向性を知ることは、長期的かつ良好な関係を築く上ではとても重要です。</br>
志向性が似ていれば、きっと自分たちの声も届きやすいでしょうし、相手の意図も理解しやすく、長い期間やり取りしていく中で、ストレスや不満も少なくなるのではないでしょうか。</p>
<p>自分たちがどういう志向性を持っているかを明確にし、発信すること。</br>
そして、相手がどういう志向性を持っているかを知ろうとすることは、これまで以上に大切になってきています。</p>
<p>私たちは、ベストオブブリードのアプローチの仕方が気に入っています。</br>
これからも餅は餅屋として、コールコネクトは電話領域に特化したツールとしてユーザーさんの課題をどこよりも早く簡単に解決できるよう、サービス改善を続けます。</p>
urn:uuid:959e1926-3059-44da-9214-180c2138e627
2023-02-28T01:38:19Z
2023-02-28T01:38:19Z
omaT1113
selfreeに入社して1年が経ちました。
<p>こんにちは!行長です!</br></p>
<p>気がつけば2月も終わり、3月になりますね。</br>
私は昨年の1月に入社をして、あっという間に1年が経ちました。</p>
<p>少し遅くなってしまいましたが、入社してからの振り返りをできればと思います。</p>
<h2>今まで働いてきた環境</h2>
<p>前職は200名以上の社員がいる企業で働いていて、カスタマーサポートのメンバーだけでも5名以上が在籍していました。</p>
<p>もちろん、カスタマーサポート以外にも、営業やマーケティングなど様々な部署があり、部署ごとに数名のメンバーが在籍していました。</br>
また、基本的には毎日オフィスに出社して、メンバーと顔を合わせて業務に取り組んでいました。</p>
<h2>正反対なselfree</h2>
<h4>少人数での運営</h4>
<p>selfreeは、少人数(5名)で運営している会社で、前職とは人数規模が異なります。</br>
以前はカスタマーサポートとしての業務がメインで、マーケティング部署の業務などに触れることはあまりありませんでした。</p>
<p>しかし、selfreeは少人数で運営しているため、カスタマーサポートだけに留まらず、様々な業務に触れることができています。</p>
<p>また、電話対応やメール対応はカスタマーサポートのメンバーだけが担うイメージでしたが、selfreeでは5人全員が対応できるように体制が整えられています。部署や役割に関わらず、全員がお客様対応できる環境はとても新鮮でした。</p>
<h4>完全フルリモート</h4>
<p>全員がフルリモートで勤務しています。</br>
面接時点からリモートでの対応でした。そのため、入社してから1年が経過した今もselfreeのメンバーと直接会ったことはありません。</br>
Slackでの文章コミュニケーションと、meetを活用し顔を見ながらコミュニケーションをとっています。</p>
<p>顔を合わせない、出社をしない状況だと業務がうまく進まないのではないかと思われることもありますが、全く支障なく業務に取り組めています。</p>
<h2>正反対な会社に入ってみて</h2>
<p>実際に入社してみて、良かった点や難しかった点が様々ありましたが、その中の一部をご紹介します。</p>
<p><strong>良かった点</strong></p>
<ul>
<li>自分の対応する範囲が広がった</li>
<li>誰に何を相談すべきかがわかりやすくなった</li>
<li>提案内容の実現性をすぐに確認できる</li>
<li>情報共有が容易になった</li>
</ul>
<p><strong>難しかった点</strong></p>
<ul>
<li>過去の議事録などが残っておらず意思決定の流れが把握できない</li>
<li>やり方や基準が個人に委ねられてしまい自身の考えに凝り固まってしまう</li>
</ul>
<h4>良かった点について</h4>
<p>前職であれば、マーケティングの部署が対応するようなSNSの更新やキャンペーン施策などを私が担当者となって対応しています。</p>
<p>部署が複数ある企業だと、「やりたいこと」「やってみたいこと」を思いついても、部署異動をしなくてはいけないなど、ハードルが高い場合があります。</br>
しかし、selfreeではそういったハードルはなく、取り組むことができています。</p>
<p>また、5名しかいない状況であれば、誰に何を聞くといいのかかが明確で、すぐに相談できます。「こういった流れで進めたいと思うがどうか?」という内容も、可否の判断が早く、スムーズに物事を進められます。</p>
<h4>難しかった点について</h4>
<p>意思決定がスムーズな分、過去になぜその意思決定をしたのかが記憶頼りになっていることがありました。
あとから入ってみると、当時の背景を理解しきれずに難しさを感じることがありました。</p>
<p>また、自由度が高い分、自身で考えて行動することが多くなります。もちろん経験を積めるため、とてもいいことではあります。</p>
<p>しかし、完全に自身のやり方となってしまい、「他の人でもできるのか?」といった観点がたまに抜けてしまうことがあります。</br>
今までは他のメンバーでもできるようにと、わかりやすい流れを考えることを意識できていましたが、対応を共有するメンバーが少ないことでいつの間にかこの意識を忘れてしまっていました。</p>
<p>無意識に独りよがりになってしまうことがあり、良くない状況になることがありました。</p>
<h2>入社してから変わったこと</h2>
<p>先程の難しかった点については、自分で情報を取りにいったり、心がけたりすることで、改善しました。</br></p>
<p>その他にも、できる範囲が広がったことで、何をすると良いのかを考える頻度が上がりました。SNSなどを見て情報収集したり、本を読んだりする機会も増えています。</p>
<p>会社に所属して、起こる出来事に対してアクションすることが主だった今までと違い、自分からできること、やることを探すマインドを持てたと思います。</p>
<h2>最後に</h2>
<p>「少人数の会社でやりにくさを感じるのではないか」</br>
「フルリモートは私生活との切り替えが難しいのではないか」</br></p>
<p>このように思われるかもしれません。しかし、1年が経過した今でも「そんなことはない」と言えます。</br>
これもselfreeのみなさんがしっかりとコミュニケーションを取りながら、接してくださっているからこそです。</p>
<p>これからも自分にできることを探しつつ、しっかりとコミュニケーションを取りながら働いていけたらと思います。</p>
urn:uuid:945b73f9-8c05-4043-a778-c1df55f51621
2022-12-16T00:39:16Z
2022-12-16T00:39:16Z
omaT1113
認知バイアスとの向き合い方
<p><img src ="/images/20221213165804.jpg
"></p>
<p>こんにちは、小俣です。</br>
今回は、“日々の意思決定の中でどのようなことを心がけているか”について、書きたいと思います。</p>
<h2>毎日が意思決定の連続</h2>
<p>私は、会社の代表・経営者という役割ですが、少人数で経営していることもあり、クラウド電話システム「CallConnect」のセールスやサポート業務など、ありとあらゆる業務に関わっています。</br>
当然、その業務の中ではさまざまな意思決定が必要になるわけですが、その意思決定次第で、経営状況やサービス品質は良くも悪くもなります。意思決定のスピードも大切ではあるものの、その質も非常に大切です。</p>
<p>そこで、どうやったら日々の意思決定をより良いものにできるかということをずっと考えてきました。</br>
膨大な情報に流されたり、誰かの言葉を鵜呑みにしたりして、合理性を欠いた意思決定をしないためにはどうすればいいか。</br>
その答えの一つとして、私は認知バイアスとの向き合い方を学ぶことにしました。</br>
意思決定の質を高めるためには、認知バイアスとは何かを知り、それとうまく向き合うスキルを持つことがとても重要だと思っています。</p>
<h2>認知バイアスとは?</h2>
<p>認知バイアスとは、認知の歪み・偏りを意味します。</br>
本人が自覚しているかどうかは別として、誰もが自分の育った環境や経験などによって、偏った価値観、物事の見方をしています。そして、それらが合理性のある意思決定を邪魔することもあります。</br>
認知バイアスの例をいくつかあげると、こんな感じです。</p>
<h5>・誤った二分法</h5>
<p>実際には多くの選択肢があるのに、限られた選択肢しかないと思ってしまうことです。</br>
選択肢が白か黒かの2つしか与えられていない時には、あえて選択肢が狭められていないかと考えるようにし、第三の選択肢(グレー)がないかを考察します。すべての選択肢を知ることで、自分の状況を正しく理解でき、誤った判断を防げるかもしれません。</p>
<h5>・性急な一般化</h5>
<p>十分なデータがそろう前に一般化を行うことです。少数の個別事例やイメージから、より一般的な広い範囲に対してもその性質が成立すると考えてしまうことを意味します。</br>
「男はみんな〜」「ユーザーはみんな〜」など、主語の範囲が広い場合には、イレギュラー(反例)が常に存在しうると意識する必要があります。</p>
<h5>・チェリーピッキング</h5>
<p>都合の良い特定の証拠だけに着目し、それ以外の不都合な証拠を無視することです。</br>
見たいものだけを見ていないか、見せたいものだけ見せていないかを自問自答することが大切です。物事にはたいていメリットとデメリットの両面があります。情報を選択する際には、不都合な真実・不利な情報が隠されていないかを注意深く観察します。</p>
<h5>・お前だって論法</h5>
<p>相手の主張が本人の振る舞いと食い違っていることを指摘し、論点を逸らすことで相手を負かそうとすることです。</br>
今話しているのは、目の前の事象・論点であることを意識しなければなりません。仮に過去に自分が同じミスをしたからといって、「お前だって」と反論されるのが嫌で目下の問題を指摘しないのは間違いです。</p>
<h5>・ストローマン</h5>
<p>相手の主張を単純化したり、極端なものに変換したりして、その歪めた主張に対して反論することです。</br>
そもそもの主張に対しての反論なのか、歪められた解釈に基づく主張なのかを見極める必要があります。論点のすり替えが起きていないかを観察します。</p>
<h2>認知バイアスとどう向き合うか</h2>
<h4>存在を知ることから始める</h4>
<p>認知バイアスはだいたいが無意識に作用するので、そもそも認知バイアスの存在を知らない状態では、自分自身が思考の罠に陥っていることにすら気づけません。そのため、まずは認知バイアスというものがあることを知り、それらが合理性のある判断を邪魔するかもしれないと理解しておくことが大切だと思います。</p>
<h4>意思決定を振り返る習慣を作る</h4>
<p>上記の認知バイアスはあくまで一例に過ぎず、他にも数多くの認知バイアスが存在しています。</br>
すべてを理解し、意思決定時にそのすべてを意識しておくのはあまり現実的ではありません。</br>
そのため、完璧を求めるのではなく、他者とのコミュニケーションで摩擦が強かったケースなどを振り返ることから始めています。議事録を参照しながら、その意思決定に至るまでの思考や議論の過程を振り返ることで、自分が陥りやすい思考パターンや認知バイアスに気づけます。</br>
偏った価値観によって合理性を欠いた提案・判断になっていないかなどを定期的に自問自答することが大切です。これらの取り組みを続けることで、意思決定の質を上げられればと考えています。</p>
<h2>まとめ</h2>
<p>認知バイアスへの理解を深めておけば、陥りがちな思考の罠に陥らないように意識できるので、情報選択や意思決定の質が極端に落ちることを防げるのではないかと思っています。</p>
<p>また、「自分自身も偏った価値観によって歪んだ見方をしてしまうことがある」と自覚することにも繋がるので、客観性を持って議論や意思決定の場に臨むことができます。</br>
会社を着実に成長させていくためにも、これからも日々の意思決定の質にこだわって、地道に今やれることを積み重ねていきます。</p>
urn:uuid:e0684682-eac8-4cfb-a135-573d5ddcd089
2022-07-02T00:01:05Z
2022-07-02T00:21:53Z
omaT1113
今日、起業してちょうど8年が経ちました。
<p>毎年7月2日になると、こうして1年の振り返り記事を投稿しています。</br>
今年もこの記事を投稿し、無事に8年という区切りを迎えられたことをとても嬉しく思います。これまで私たちに関わってくださった皆様、本当にありがとうございます。</p>
<p>今日は近況報告も兼ねて、この1年の取り組みや考えたことについて振り返ります。
</br></br></p>
<h2>会社運営について</h2>
<p>私たちは「愛される企業を増やす」を企業理念に、引き続き少人数で経営を続けています。</br>
やみくもな規模拡大や急成長は志向せず、自分たちのペースでゆっくりと、着実に成長していくことを志向しています。</br>
成長への焦りや不安があると、つい「より大きく、より多く」と規模や量を求めがちです。
しかし、肥大化して身軽さを失い、変化に素早く対応できなくなってしまっては元も子もありません。私たちは日頃から「より小さく、より少なく」という意識を大切に、スピーディに変化できるようにしています。</br></p>
<p>また、しっかりと利益を出して事業を継続させることは大前提ですが、際限ない利益拡大を追い求めるがあまり、いつまで経っても満たされず、プレッシャーに苛まれ続けるような成長の仕方は望んでいません。“自分たちにとっての成功を定義し、足を知ること”が、長く健康的に事業を継続する上で重要だと考えています。</p>
<p>今期はいくつかトピックがあったので、以下にまとめます。</p>
<h4>・初めての採用活動</h4>
<p>ブラウザ電話システム「<a href="https://www.callconnect.jp/">CallConnect(コールコネクト)</a>」をリリースしてからARR1億円を突破した頃までは、創業メンバー3人で開発からセールス、カスタマーサポートといったすべての業務を行っていました。</br>
しかし、ありがたいことに導入企業数も増え、安定した運営体制を維持できなくなってきました。そこで、より安定した運営体制を作るために、2021年4月頃から正社員採用を始めました。</p>
<p>創業以来初めてとなる採用活動でしたが、結果的に2名の新たなメンバーを迎え入れることができました。現在は5名体制で、安定的にCallConnectを運営できています。おそらく、数年間はこの規模で運営していくと思います。</br></p>
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<a href="/articles/2022/03/15/%E5%B0%8F%E3%81%95%E3%81%AA%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%8C%E5%8D%8A%E5%B9%B4%E3%81%A72%E5%90%8D%E3%82%92%E6%8E%A1%E7%94%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%BE%E3%81%A7">小さな会社が半年で2名を採用するまで</a>
</br>
<a href="/articles/2021/10/06/selfree-llc-%E3%81%AB%E5%85%A5%E7%A4%BE%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F-%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2-%E7%89%A7
">selfree LLCに入社しました!(エンジニア 牧)</a>
</br>
<a href="/articles/2022/02/01/selfree-llc-%E3%81%AB%E5%85%A5%E7%A4%BE%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F-%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88-%E3%82%B5%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9-%E8%A1%8C%E9%95%B7
">selfree LLCに入社しました!(カスタマーサポート/カスタマーサクセス 行長)</a></p>
<h4>・寄付、スポンサー活動の継続</h4>
<p>私たちは、電話という“コミュニケーション”に関わる分野でサービスを展開しています。</br>
サービスの提供を通じて社会に貢献するだけでなく、他の方法でも貢献できないかと考え、2020年9月から以下のコミュニケーションに関わる団体への支援を始めました。</br></p>
<ul>
<li>社会福祉法人 いのちの電話</li>
<li>公益社団法人 日本聴導犬推進協会</li>
<li>一般社団法人 日本言語聴覚士協会</li>
</ul>
<p>また、カスタマーサポート/カスタマーサクセスをテーマにしたイベント(団体)へのスポンサー活動も数年間継続しています。</br>
これからも私たちにできる社会貢献を常に考え、利益を社会と未来に還元していきます。</p>
<p>関連記事</br>
<a href="/articles/2021/06/09/selfree-llc-%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC-%E5%AF%84%E4%BB%98%E6%B4%BB%E5%8B%95
">selfree LLLCのスポンサー・寄付活動</a></b>
</br></br></p>
<h2>ブラウザ電話システム「CallConnect」について</h2>
<p><a href="https://www.callconnect.jp/">CallConnect</a>は、サポート業務やインサイドセールスに最適な電話システムで、PCとインターネットがあればどこからでも利用できます。
今期も増収増益となり、有料ライセンス数は2,500を突破。利用継続率も97%と高い水準を維持できています。</p>
<p>有料ライセンス数の推移は、こちら。</p>
<p><img src ="/images/20220604134824.png"></p>
<p>CallConnect関連でもいくつかトピックがあったので、以下にまとめます。</p>
<h4>・iOSアプリをリリース</h4>
<p>CallConnectは、これまでPCブラウザでのみ電話発着信が可能でした。</br>
しかし、“出先で電話対応したい”といったニーズが既存ユーザーさんや私たち自身からも出てきたので、iOSアプリの開発に着手しました。まったく新しい技術への挑戦とはなりましたが、まずは外線の発着信や保留といったコアとなる通話機能に絞って開発を行い、2021年11月に無事にリリースできました。</br>
これからもシンプルさを維持しながら、CallConnectの改善を続けていきます。</p>
<h4>・ユーザーミートアップを開催</h4>
<p>“事例や活用ノウハウを共有できる場を作りたい”という想いから、2022年5月に<a href="/articles/2022/05/30/callconnect-%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-vol-6-%E3%82%92%E9%96%8B%E5%82%AC%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F">6回目となるユーザーミートアップ</a>をオンラインで開催しました。</br>
当日は約20名のユーザーさんにご参加いただき、 ENECHANGE株式会社さんから活用事例について発表いただきました。ENECHANGE株式会社さんには、上場前から使っていただいており、スタートアップ企業が上場するまでのストーリーの中にCallConnectが存在していたことをとても嬉しく思いました。</br>
今後もミートアップを開催し、ユーザーさんと長期的で良好な関係を作っていきます。そして、ユーザーさんの成長を後押していきます。
</br></br></p>
<h2>8期を振り返って</h2>
<h4>・まだ見ぬ人よりも今いる人を大切にする</h4>
<p>私たちは、まだ見ぬこれから獲得しようとする人たち(新規獲得)よりも、今利用している人たち(既存顧客)を優先、最重要視しています。</br>
これには1:5の法則などで言われているように、事業の成長性や継続性を高める意味合いがあります。ただそうした意味合い以上に、“私たち自身が仕事へのやりがいや喜びをより感じられるから”といった意味合いの方が強いです。
私たちは顔のわからない誰かのためよりも、身近な顔の見える人のために時間やお金を使いたいと考えています。</p>
<p>定期的にユーザーミートアップや事例インタビューを実施したり、開発ロードマップを公開したりしているのも、そのためです。</br>
全員に満足していただくのは難しいかもしれませんが、これからも可能な限りユーザーさんと向き合い、より良いサービスを提供していきます。</p>
<h4>・快適なペースで働く</h4>
<p>経営はよくマラソンに例えられますが、特にSaaSを成長させるには時間がかかります。</br>
だからこそ、息を止めて走るのではなく、自分が呼吸していることを意識できるくらいのペースで長く走り続けることが大切です。これは事業の継続性を高めるためでもあり、メンバーひとり一人が“仕事以外の時間を楽しむ余裕を持つため”でもあります。</br>
現状に甘えたり、細部に妥協したりせずに成果にこだわるのは当たり前としても、途中で力尽きて倒れないように、心身の健康を保てるちょうどいいペースを見つけなくてはいけません。</p>
<p>セルフリーでは月に数回、夜間のメンテナンス作業を行いますが、週の業務時間は40時間以内となっています。また、入社1年目から20日分の有給休暇があり、5日間のリフレッシュ休暇といった長期休暇の制度もあります。
これからも快適に働ける環境を整えながら、メンバーひとり一人が仕事以外の時間にも集中しやすい“余裕のある体制”を作っていこうと思います。
</br></br></p>
<h2>おわりに</h2>
<p><img src="/images/20220630172924.png"></p>
<p>何のために働いているのか。</br>
目的が見えなくなってしまうと、無理な目標のために疲弊してしまったり、焦燥感に駆られてしまったりすることもあります。私たちはその目的を見失わないように、自分たちのペースでゆっくりと、着実に成長していこうと思います。</p>
<p>9期目も「愛される企業を増やす」を企業理念に、5人で力を合わせて、より良いサービスを提供していきます。そして、心に余裕を持ちながら、自分たちなりの成功を目指して1歩ずつ進んでいきます。</p>
<p>引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。</p>
<p>2022年7月2日</br>
selfree LLC 代表 小俣隼人</p>