ブログ

2016.08.27

軸を持って、顧客の声を聞く。

私は、「こういう価値を世の中に提供したい!」というサービス開発の軸となる想いを自分の中に持つことは重要だと考えている。なぜなら、そういった強い想いがサービスを作る原動力になるからだ。 むしろ、そういった想いがなければ、何かをスタートさせることはできない。

しかし、そのサービス開発にかける想いを肥大化させ、自分の世界だけに閉じこもるようになってしまってはいけない。 誰も使わない自己満足のサービスを作ったとしても、意味がない。イケてる!といくら自分が思ったとしても、客観的に見ればそうではない場合だってある。

自信がいつしか過信に変わらないように、私は客観性を大事にしたい。

顧客の声を聞くか、聞かないか。

こういった議論の中で必ずと言っていいほど例に挙げられるのが、スティーブジョブズとヘンリーフォードだ。

「顧客は自分たちの欲しいものはわからない」

「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう。」

スティーブジョブズやヘンリーフォードのこういった言葉を引き合いに出しては、サービス開発において顧客の声は聞く必要がないと主張する人もいるだろう。

しかし、私はこうした主張を鵜呑みにするつもりはないし、表面的に捉えて終わりにしようとは思わない。 「顧客の声を聞く」といっても、一概に“聞く”という行為そのものが悪いわけではなく、“何を聞くのか”ということが重要なはずだ。

もし、顧客に“答え”を聞こうとしているのなら、今すぐそういったスタンスはやめたほうがいいだろう。 なぜなら、顧客が答えを教えてくれることはないからだ。 しかし、顧客との会話の中から本質的なニーズを探ることはできる。上記の例でいえば、「車」という答えは顧客から出てくることがないにしても、顧客と話すことで「早く移動したい」という本質的なニーズに気づくことができる。 つまり、顧客に答えを求めて聞くのではなく、顧客の本質的なニーズを知るために話を聞くということは極めて重要なことだといえる。

また、顧客と話す中では顧客の様々なニーズを知ることになる。もちろん、全てを叶えることはできないだろう。 しかし、軸となる想いによってそれらをうまくまとめあげ、一貫性のあるサービスへと昇華させる努力はできる。

イノベーションについて考える

「革新的なサービスを作り出したい。」

サービス開発に関わる人間なら誰しもが一度は考えることだろう。かくいう私も、selfreeとしてそういったサービスを提供していきたいと思っている。

では、そのためにはどういった考え方や姿勢が必要なのだろうか。

たんに自分の世界の中だけで人とは“違う”ことをやろうと決意するだけで、それが叶うわけではない。 もちろん、社会や顧客、周囲に目を向けずにただひたすらに行動を起こしてみても、それが叶うわけではない。

前例や従来のやり方に縛られない革新的なサービスを生み出すためには、少なくとも前例や従来のやり方を知っている必要がある。そして、知ろうとする必要がある。 でなければ、そもそもそのサービスが革新的かどうかすらわからない。すでに似たようなサービスがあるかもしれない。

イノベーションは、社会や周囲に無関心になり、顧客の意見を聞かないことで生み出されるのではく、顧客にとって本質的な価値となるものが何かについて強い関心を寄せ、徹底的に考え抜くことで生み出されていくのではないだろうか。

また、イノベーションは「組み合わせる力」だとも言われている。 実際にアップルも、既存の技術をうまく組み合わせることで新たな価値を生み出した。

組み合わせるためには、組み合わせるための要素を自分の中に多く持っている必要がある。 一見、無関係に思える要素でも、うまく結びつけることができれば、アップルのように新しい価値を生み出していくことができるかもしれない。 そのためには、自らの世界に閉じこもるのではなく、積極的に外界と関わり、自らの中に多様性を持つことが重要だと考えている。

顧客の声を聞きたくないという心理

サービス開発において顧客の声を聞きたくないという人もいるかもしれない。ニーズすら探ろうとしないケースだってあるかもしれない。

それはなぜだろうか。

サービス開発にかける想いや軸が曖昧だから、顧客の声を聞くことで自分の軸がぶれることを恐れているのだろうか。 それとも、顧客の全てを把握しているからそもそも聞く必要がないと思っているのだろうか。

本当にサービス開発に対する強い想いや軸があるのだとしたら、顧客の声によって自分の軸がぶれることを恐れる必要はない。 顧客の声(本質的なニーズ)を把握した上で、自らの判断をより高次なものへと昇華させていけば良いだけだ。

また、顧客と触れ合い、顧客からフィードバックをもらうというのは自分が過信していないかどうかを確認するのにも絶好の機会となる。 どれだけ自分が素晴らしいサービスを提供していると自信を持っていたとしても、それが過信だったことに気づかされることだってある。

過信は、自らの能力を高く見積もり、信頼しすぎることによって起きる。自己愛が強いため、自らの欠点やミスを認められなくなる。どんどん考え方は凝り固まり、動きを鈍化させる。

しかし、自信は違う。自分の能力を信じているので、何かを恐れて動きを鈍化させることもなければ、態度を硬化させることもない。顧客の声を聞いてもぶれない余裕があるし、フィードバックを真摯に受け止めることができる。

おわりに

より良いサービス開発には、顧客と話し、顧客の本質的なニーズを知ろうとする姿勢が欠かせない。そして、顧客の声を鵜呑みにするのではなく、徹底的に考え抜き、より高次なものへと昇華させるという覚悟が重要だ。

サービス開発の軸となる想いによって顧客のニーズをまとめあげ、顧客の本質的なニーズに応えられる一貫性のあるサービスを作れるようこれからも取り組んでいきたい。