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2019.11.24

SaaS 急成長に必要な予測可能なリード獲得

こんにちは、本間です。 以前の記事で、「焦点(ターゲット)を定めたユーザーの発見・獲得」の重要性について記しました。

SaaS 急成長に向けたステップ

予測可能なリードに対して最適なプロダクト、セールス、プロセスで販売することで、目指す SaaS の急成長を実現できます。「予測可能なリード」とは、前回の記事にも掲載しましたが、絶対に自社の SaaS を必要だと思ってもらえる企業を指します。

よくある勘違いとして「いい SaaS を提供すれば、SaaS を愛するユーザーが勝手に広めて紹介してくれる」という理想があります。確かに口コミ獲得は理想ですが、本書ではおとぎ話の世界だと言われています。宝くじで当たるような運に左右されてしまうことが、この理想の欠点です。実際の SaaS のセールス現場では、紹介での導入はほとんどなく、営業やマーケティングを通じてステップバイステップで徐々に導入に前向きになっていくことがほとんどであります。

本記事ではリードを3つタイプに分けてそれぞれ解説します。

  • Seeds: 口コミや個人的なつながり
  • Nets: 1対多 イン・アウトマーケ による獲得
  • Spears: アウトバウンドの見込み企業、事業内容や担当者に対して直接アポイント

Seeds ~ カスタマーサクセスが鍵

Seeds は口コミ等によるユーザー獲得方法です。Slack や Dropbox では大量の Seeds を獲得して SaaS を広めています。彼らは 種植え”、つまりSaaS を知ってもらうために無料で多くのユーザーに SaaS を提供しています。

Seeds は口コミによる運営との高速な関係強化が可能で高い収益性を誇ります。Seeds を成長させる最良の方法は「カスタマーサクセス」です。カスタマーサクセスは、Seeds における成長ドライバーです。SaaS 内容によりますが、SaaS においてカスタマーサクセスは営業の5倍 重要であると言われています。SaaS を成長させたい場合、カスタマーサクセスを早期に雇用すべきだと言われています。

SaaS 初期の段階では、月に5回は顧客に”会う”ことを勧められています。ほとんどの顧客は退会するまで要望・文句を言わず、単に使って満足しなければ退会して終わってしまいます。そのため、直接会って今後の開発ロードマップを伝え、フィードバックをいただき、SaaS を改善していく必要があります。

また、カスタマーサクセスだけではなくカスタマーサポートも重要な立ち位置です。最もお客様と直接話す機会を持てるのはカスタマーサポート担当者の方であるためです。そこでの会話によって現在の SaaS 開発の方針が正しいかどうか確認していきましょう。カスタマーサポートの際、より細かく簡単に情報をまとめていくために、電話やメール・チャットなどそれぞれをしっかりと保存管理していく仕組みを用意することが重要です。

カスタマーサポートで、ひたすらに電話だけ受けるという仕事はストレスが溜まりがちです。定期的なトレーニングの実施や、顧客のところに会いに行ったり、経営へフィードバックを送ったりすることで、モチベーションやスキルを高めていきましょう。

これまでの説明で、Seeds は一見すると完璧なリードに見えますが、そうではありません。運営側で成長をコントロールができないためです。

Nets - Marketing

Nets はマーケティングを通じてリード獲得する方法です。Nets は “量” よりも “質” で厳選していきましょう。

マーケティングには「インバウンドマーケティング」と「アウトバウンドマーケティング」の2種類があります。最近、「インバウンドマーケティング」だけが賢い方法として見られていますが、急成長企業ではインバウンド・アウトバウンド それぞれの特徴メリットを理解しどちらも実施していると言われています。それぞれ以下に説明します。

まずインバウンドマーケティングでは、顧客の問い合わせなどが起点であり、最初は顧客に頼る必要があります。また、インバウンドは幅広い顧客層になりがちだと言えます。インバウンドマーケティングの典型として、「Google 広告」で検索結果の広告を出す方法があります。しかし、これは時代遅れだと言われています。広告を出すにしても、広告専用の遷移先や、特設キャンペーンの時に利用すべきです。広告よりも、現代ではコンテンツこそが必要で長生きし、より SaaS を特化させることができます。ガイドやホワイトペーパー、ケーススタディ、電子書籍など、これらの出展/販売を検討してみてください。なお、初期のマーケティングにかける時間や予算がない場合には、全部のマーケティングをやるべきではありません。SaaS に応じて最適なもの1つに絞って、始めていきましょう。その中で特におすすめは「ウェビナー」です。顧客が興味を持ってもらえそうな内容を配信することで、個人的なつながりが持て、さらにチャットを通じて直接お客様の声を聞くことが可能であるためです。また、SaaS のパートナー企業とのマーケティング活動としても、ウェビナーは効果的です。

続いてアウトバウンドマーケティングではターゲティングして特定の方へこちらから連絡する流れとなります。理想の顧客に対してダイレクトに連絡することで、より SaaS 導入の確率を上げることができます。現状の SaaS のベスト顧客と同じような業界・形態 の会社のみにアプローチし、案内する内容もその企業に特化して連絡しましょう。効果的な方法の一つとして、「手書きの手紙を書く」ことの効果について紹介されています。その手紙の中に、”今なら~が可能” という案内も合わせて入れてみましょう。

部署や仕事をインバウンド・アウトバウンドで分ける必要はありません。営業かマーケティングか の論争自体ナンセンスです。レベニュー(歳入)チームとして、新たなチーム構成を考えてみましょう。インバウンド・アウトバウンド関係なく、収益を生むことに焦点を当てたチームとなります。

Spears - Outbound Prospecting

Spears は1対1のキャンペーンです。相手から進んで SaaS の導入に来ないような特に大企業に対して、こちらから働きかける方法となります。そもそも、自分たちから進んで新サービスを導入して改善していこうとする企業は思ったより少ないものです。自社の事業内容と少しでも離れていれば、尚更 「使えれば良い」という判断となりがちです。そのような企業に対して導入を進めていくには、こちらからアプローチするしか方法がありません。

ではそのために従来のような一括大量のメールや電話発信をするのかと言えば、そうではありません。営業は予測をせず、契約間近の見込みのみに連絡を続けていきます。それぞれのリードの現在のステップを CRM に保存管理していく必要があります。

HubSpot や Marketo など、インバウンドマーケティングの SaaS を提供とする企業ですら、成長を加速させるためにアウトバウンド専門のチームを所有しています。インバウンド依存のチームからの脱却を目指しましょう。

Spears では、より大きな企業と面会し、こちらから連絡・提案することが求められます。大きな企業であることが重要です。そうでなければ、アウトバウンドセールスで利益にまで結びつき辛くなるためです。

大きな企業が自社の SaaS を選んでもらえるようにするためにも、他の SaaS と比べた時の自社 SaaS の価値やポジションを明確にしておきましょう。そこで圧倒的な差別化ができていなければ、エンタープライズへのセールスはやる価値はありません。尖ったプロダクトにすることへで戻りしましょう。大量にメールを送ってどこかから返答が来れば OK と考えてしまうような SaaS は成功できません。

そこでこれから連絡しようとする企業が、営業する価値があるかどうか、以下の項目で採点してみてください。

  • 個人的な親密さ (Meetup に来てくれそうなレベルか、単に知っているだけか)
  • ニーズにマッチするかどうか
  • 相手の自社 SaaS 理解度
  • 取引見込みの見積もり額
  • 最終的な意思決定者とのつながり
  • 利用開始までの見込み時間
  • 契約に向けた次のステップ

終わりに

SaaS 急成長に向けてのリード獲得の方法について3つご紹介しました。急成長を目指すからには、中・大企業・エンタープライズに導入されるような SaaS を目指す必要があります。

この急成長で求められるのは、今までのリリース直後に使ってもらっていた小規模事業社と全く異なるものです。

貴社において急成長のために今、何が必要なのかを改めて考えてみてください。