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2018.04.03

SaaS プライシングの基本を知る

こんにちは、小俣です。
今回は、SaaS(Software as a service)のプライシングについて取り上げます。
私たちもブラウザ電話システム「CallConnect」をリリースする際には、どのように価格設定をしたらいいのか非常に悩みました。 そこで、SaaS のプライシングを考える上で知っておきたい前提やプライシングモデルなどについてまとめていきます。

プライシングを考える際の前提

1. 絶対的な正解はないと知る。

いくらが適正かということは誰も知りません。そのため、現状で顧客が類似のプロダクトにいくらくらい払っているのかであったり、業界としての相場感を把握した上で、最終的には「えいや!」で決める必要が出てくるでしょう。

2. 仮説を元に設定し、検証し続ける。

絶対的な正解がないからこそ、市場や顧客の変化を見ながら、柔軟に変更していく姿勢を持つことが大切だと思います。コールコネクトではまだプライシングの変更をしていませんが、必要に応じて価格変更やプライシングモデル自体の変更も視野に最適なプライシングを模索していくつもりです。

3. 成長戦略とプライシング戦略を一貫させる。

いくらに設定し、どのようなプライシングモデルを採用するかというのは、企業の成長戦略と一貫している必要があるでしょう。一気に市場シェアを取りたい場合は、低価格戦略やフリーミアムを採用することが多い印象です。どのような成長の仕方を望んでいるかによって、取るべきプライシング戦略も変わってきます。

4つのプライシングモデル

以下は一部 Cobloom社のブログ からの引用になりますが、プライシングモデルを4つご紹介します。

1. 定額プライシング(Flat rate)

1プロダクト、1価格のモデルです。
ドキュメント共有サービスの「esa」やショッピングカートに残っている商品を検知/通知し、ネットショップの売上向上に貢献するサービスの「CartHook」で採用されているモデルです。
メリットは、課金体系がシンプルなので売りやすく、顧客も料金体系を理解しやすい点です。一方で、ユーザー層によってプランの最適化を図りづらいのがこのモデルのデメリットと言えるでしょう。

2. 使用量プライシング(Usage based)

ユーザーが使った分だけ課金するモデルです。
「CallConnect」でも通話料に関してはこのモデルを取り入れています。また、SaaSではありませんが、「Twilio」 でもこのモデルが採用されています。
メリットは、使った分だけ支払えば良いため、使い始めるハードルが低くなります。また、ユーザーの納得度も高くなりやすく、解約に繋がりにくいと考えられます。一方で、ユーザーが毎月どのくらい使うのかがわからず、売上予測が立てにくいことがこのモデルのデメリットと言えるでしょう。

3. 階層型プライシング(Tiered)

ユーザー層に応じて提供する機能の数などを設定し、価格プランをいくつか設けるモデルです。
カスタマーサポートツールの「Freshdesk」や「CallConnect」でも採用しているモデルです。
メリットは、セグメント毎に最適な価値を届けやすいため、収益機会の取りこぼしを減らせる点や利用状況に応じてアップセルがしやすい点です。一方で、複数のプランがあるため、プラン選択で迷わせることになるのがこのモデルのデメリットと言えるでしょう。
Process.st社が250のSaaSを対象に行った調査によると、平均3.5個のプランがあったとのことです。

4. フリーミアム(Freemium)

プロダクトのコアとなる機能を無料で提供するモデルです。
皆さんご存知の「Slack」や「Evernote」で採用されているモデルです。また、ライブチャットツールの「Drift」でも採用されています。
小規模事業者やC向けに一気に拡大するのに有効です。一方で、有料プランへの転換率が低ければ、ビジネスとして収益化するのが難しいのがこのモデルのデメリットと言えるでしょう。

プライシングで気をつけたい3つのこと

では、これから実際に値段付けをする場面がきたり、最適なプライシングを検討していく時にはどのようなことに気をつければいいのでしょうか?

1. 早めに有料プランを作る

ひとまず様子見を見るために有料プランの公開を先延ばしにするケースがあります。多くの見込みユーザーにヒアリングする中で最適な価格を決めたいという気持ちはわかります。しかし、無料ユーザーからのフィードバックと少額でも課金してくれている有料ユーザーからのフィードバックではどちらがより本質的な製品改善やプライシングの最適化に繋がるでしょうか。私は後者だと思います。 早めに有料プランを提供し、有料ユーザーからの声を集めましょう。それによって、プライシングの最適化や本質的な製品改善が実現できるはずです。

2. 安すぎる価格にはしない

値段付けする際、売れなかったらどうしようといった不安を抱き、弱気なプライシングになりがちです。提供する価値に見合った金額を設定し、ビジネスとして成り立つようにしなければなりません。

3. 課金ポイントを間違えない

ユーザー数で課金したり、容量で課金したり、課金するポイントはプロダクトの特性によって異なってきます。重要なのは、顧客がプロダクトから得られる価値が上がった時に、それに比例して支払う金額も上がるようにすることです。コールコネクトでは席数単位(per user)で利用料金が上がる体系になっていますが、これは電話ができる人数が増えることによって、より多くの問い合わせに対応できるようになるためです。

おわりに

今回は、SaaSのプライシングについて取り上げました。
ビジネスの着実な成長を実現する上でプライシングは非常に重要です。基本の型を知り、自社にとって最適なプライシングを試行錯誤しましょう。 そして、顧客にとってわかりやすく、納得度の高いプライシングモデルを追求していく姿勢も持ち続けましょう。

今後も SaaS をテーマにしたブログを更新していく予定です。