今日、起業してちょうど7年が経ちました。
今日でセルフリーを立ち上げて、丸7年が経ちました。 当初はライドシェアサービスを提供していたセルフリーですが、今では コールセンター SaaS を提供する会社になっています。2015年にリリースしたブラウザ電話システム「CallConnect」は、ARR 1億円を超える規模になり、今期も堅調な成長を見せました。 これもこれまで一緒に頑張ってきたメンバーや外部パートナー、取引先の皆様の支えのおかげだと思っています。これまで私たちに関わってきてくださった方々には感謝の気持ちしかありません。いつもありがとうございます。
今日は近況報告も兼ねて、この1年の取り組みや考えたことについてまとめていきます。
会社運営について
私たちは上場などを目指しておらず、急成長も志向していません。 企業理念を体現しながら持続的に利益を出し、着実に成長していくことを重視しています。 今でも外部からの資金調達はせず、事業収益で会社運営に必要な資金をまかない、自己資金で運営しています。海外ではこのような形態を「Bootstrapping(ブートストラッピング)」というようです。自分たちが正しいと思うことをやり続けられる、この運営方法を私たちは気に入っています。
チームを、数十人、数百人と大きくするつもりはありません。人を増やせば、その何倍ものコミュニケーションコストがかかりますし、調整するための仕事を作ることになります。スピーディーに仕事を進め、少ない人数で高い成果を出していきたいと考えています。 現在のチームは、3人の創業者と外部メンバー1名で構成されています。小さなチームですが、それぞれの役割を全うすることで、着実な成長を実現しています。
ただ、既存メンバーも様々なライフイベントで休みを取るので、より安定した運営体制の構築を目的に、今期から採用活動を始めました。 現在、エンジニア1名、カスタマーサポート/カスタマーサクセス1名を募集しています。今回の採用が成功したら、次の採用はしばらく先になると思います。 採用情報はこちら。
ブラウザ電話システム「CallConnect」について
CallConnect は、サポート業務やインサイドセールスに最適な電話システムで、インターネットとPCがあればどこでも利用可能です。
最近、紹介動画を作成しました。
現在、CallConnect は4人のメンバーで開発・CS対応を行っています。普段私たちが意識していることや実践していることをいくつかまとめたいと思います。
・変わりづらい根本的なニーズに目を向ける
私たちはプロダクト開発において、新機能をどんどん追加することより、今ある機能をもっと使いやすく、品質の良いものにしていくことを重視しています。 もちろん、ニーズ変化に対応するために新機能の開発も行います。しかし、あらゆるニーズをカバーしようとは考えていません。根本的なニーズを見極め、カバーする範囲を絞ってプロダクト改善を続けています。人数は少ないですが、その分意思決定や共有作業にかかる時間も少なく、対応範囲も絞っているため、プロダクトをスピーディーに改善することができています。
・ロードマップを公開する
私たちは2年ほど前から、開発ロードマップを公開しています。ロードマップでは、現在開発中の機能からアイデア段階の機能に至るまで、CallConnect が今後どのように改善されていくかを公開しています。 今後の方針をユーザーさんに見せることで、もっと CallConnect に興味を持っていただいて、フィードバックしやすい環境を作っていければと考えています。実際に開発予定の機能に関してメールで問い合わせをもらったりと、ユーザーさんに CallConnect の今とこれからを知ってもらうことで、繋がりが深まっているように感じています。
・手紙を書く
新規契約いただいたユーザーさんに向けて、手書きの手紙を送るようにしています。手紙には CallConnect のステッカーを同封し、オリジナル切手を貼っています。 CallConnect は、トライアル申込から有料契約までがオンラインで完結します。そのため、ユーザーさんとリアルに関わる機会がほとんどありません。以前はオフラインのミートアップを開催していましたが、コロナ禍でオンラインでの開催に切り替わっています。 リアルなものを通して私たちと接点を持ってもらい、親しみや温かさを感じられる、そんなサービスにしていきたいと考えています。
・全員がカスタマーサポート担当者
割合こそ違いますが、セルフリーではメンバー全員がカスタマーサポート業務を担当しています。サポート受付時間は平日10時から18時までで、電話とメールで対応しています。 より良いサービスを届けるためには、ユーザーさんを深く理解することが重要です。ユーザーさんは普段どんな使い方をしているのか。どんなことに疑問を持つのか。これらを正確に把握できているかどうかで、機能開発やUIデザインの質が大きく変わってきます。 今後もメンバー全員がユーザーさんの声を正確に聞くことを心がけ、より良いサービスの提供に繋げていきます。
7期を振り返って
7期目の様々な出来事を通して考えたことについてまとめておきたいと思います。
・疑ってかかる
世の中は成功者の言葉で溢れています。経営戦略や採用手法など、正攻法といえるセオリーは存在するでしょう。しかし、それらを鵜呑みにする必要はありません。そもそも企業ごとに目指す場所、目的が違います。手法として正しかったとしても、“自分たちにとって正しいか”はわかりません。 業界の第一人者や著名人が何を言おうと、疑ってかかることが大切です。安易に信じすぎていないか。信じるという言葉を使って、考えることを放棄していないか。自分たちにとっての正しさは、自分たちで考え、自分たちで見つけるものです。疑うことは、物事を深く理解する上で欠かせない行為であって、自分たちの目的と真摯に向き合うことだと考えています。聞こえのいい言葉に流されないように、懐疑的な見方を大切にしていきたいと思います。
・ちょうどいいサイズを知る
「成長」という言葉を礼賛して、売上にしても、人員規模にしても、「成長」の名の下にどんどん大きくしようとすることがあります。私たちも「成長」は大切だと考えています。しかし、ちょうどいいサイズを知ろうともせず、やみくもに「成長」を追い求めることはしません。 サイズの合わない服を着れば、みすぼらしく、動きづらくなります。快適に過ごすためには、大きすぎず、小さすぎない、ちょうどいいサイズを知ることが重要です。ちょうどいいサイズを見極めながら適度に成長し、社員が穏やかに働ける環境を作っていきます。
おわりに
起業してからあっという間に7年が経ちました。振り返ってみれば、楽しい出来事だけではなく、頭を抱えるような出来事も多々ありました。それでも、信頼できるメンバーとそれらを乗り終え、今日こうして穏やかな心持ちで7年の節目を迎えられたことが素直に嬉しいです。 大きな変化ばかりに目が行きますが、それは日々の小さな積み重ねの結果に過ぎません。もっとユーザーさんに価値を届けられるように、日々の小さな積み重ねを大切に、社員一同邁進していきたいと思います。
8期目も「愛される企業を増やす」を企業理念に、ゆっくりと、でも着実に成長していきます。 引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
2021年7月2日 selfree LLC 代表 小俣隼人