今日、起業してちょうど8年が経ちました。
毎年7月2日になると、こうして1年の振り返り記事を投稿しています。 今年もこの記事を投稿し、無事に8年という区切りを迎えられたことをとても嬉しく思います。これまで私たちに関わってくださった皆様、本当にありがとうございます。
今日は近況報告も兼ねて、この1年の取り組みや考えたことについて振り返ります。
会社運営について
私たちは「愛される企業を増やす」を企業理念に、引き続き少人数で経営を続けています。 やみくもな規模拡大や急成長は志向せず、自分たちのペースでゆっくりと、着実に成長していくことを志向しています。 成長への焦りや不安があると、つい「より大きく、より多く」と規模や量を求めがちです。 しかし、肥大化して身軽さを失い、変化に素早く対応できなくなってしまっては元も子もありません。私たちは日頃から「より小さく、より少なく」という意識を大切に、スピーディに変化できるようにしています。
また、しっかりと利益を出して事業を継続させることは大前提ですが、際限ない利益拡大を追い求めるがあまり、いつまで経っても満たされず、プレッシャーに苛まれ続けるような成長の仕方は望んでいません。“自分たちにとっての成功を定義し、足を知ること”が、長く健康的に事業を継続する上で重要だと考えています。
今期はいくつかトピックがあったので、以下にまとめます。
・初めての採用活動
ブラウザ電話システム「CallConnect(コールコネクト)」をリリースしてからARR1億円を突破した頃までは、創業メンバー3人で開発からセールス、カスタマーサポートといったすべての業務を行っていました。 しかし、ありがたいことに導入企業数も増え、安定した運営体制を維持できなくなってきました。そこで、より安定した運営体制を作るために、2021年4月頃から正社員採用を始めました。
創業以来初めてとなる採用活動でしたが、結果的に2名の新たなメンバーを迎え入れることができました。現在は5名体制で、安定的にCallConnectを運営できています。おそらく、数年間はこの規模で運営していくと思います。
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・寄付、スポンサー活動の継続
私たちは、電話という“コミュニケーション”に関わる分野でサービスを展開しています。 サービスの提供を通じて社会に貢献するだけでなく、他の方法でも貢献できないかと考え、2020年9月から以下のコミュニケーションに関わる団体への支援を始めました。
- 社会福祉法人 いのちの電話
- 公益社団法人 日本聴導犬推進協会
- 一般社団法人 日本言語聴覚士協会
また、カスタマーサポート/カスタマーサクセスをテーマにしたイベント(団体)へのスポンサー活動も数年間継続しています。 これからも私たちにできる社会貢献を常に考え、利益を社会と未来に還元していきます。
ブラウザ電話システム「CallConnect」について
CallConnectは、サポート業務やインサイドセールスに最適な電話システムで、PCとインターネットがあればどこからでも利用できます。 今期も増収増益となり、有料ライセンス数は2,500を突破。利用継続率も97%と高い水準を維持できています。
有料ライセンス数の推移は、こちら。
CallConnect関連でもいくつかトピックがあったので、以下にまとめます。
・iOSアプリをリリース
CallConnectは、これまでPCブラウザでのみ電話発着信が可能でした。 しかし、“出先で電話対応したい”といったニーズが既存ユーザーさんや私たち自身からも出てきたので、iOSアプリの開発に着手しました。まったく新しい技術への挑戦とはなりましたが、まずは外線の発着信や保留といったコアとなる通話機能に絞って開発を行い、2021年11月に無事にリリースできました。 これからもシンプルさを維持しながら、CallConnectの改善を続けていきます。
・ユーザーミートアップを開催
“事例や活用ノウハウを共有できる場を作りたい”という想いから、2022年5月に6回目となるユーザーミートアップをオンラインで開催しました。 当日は約20名のユーザーさんにご参加いただき、 ENECHANGE株式会社さんから活用事例について発表いただきました。ENECHANGE株式会社さんには、上場前から使っていただいており、スタートアップ企業が上場するまでのストーリーの中にCallConnectが存在していたことをとても嬉しく思いました。 今後もミートアップを開催し、ユーザーさんと長期的で良好な関係を作っていきます。そして、ユーザーさんの成長を後押していきます。
8期を振り返って
・まだ見ぬ人よりも今いる人を大切にする
私たちは、まだ見ぬこれから獲得しようとする人たち(新規獲得)よりも、今利用している人たち(既存顧客)を優先、最重要視しています。 これには1:5の法則などで言われているように、事業の成長性や継続性を高める意味合いがあります。ただそうした意味合い以上に、“私たち自身が仕事へのやりがいや喜びをより感じられるから”といった意味合いの方が強いです。 私たちは顔のわからない誰かのためよりも、身近な顔の見える人のために時間やお金を使いたいと考えています。
定期的にユーザーミートアップや事例インタビューを実施したり、開発ロードマップを公開したりしているのも、そのためです。 全員に満足していただくのは難しいかもしれませんが、これからも可能な限りユーザーさんと向き合い、より良いサービスを提供していきます。
・快適なペースで働く
経営はよくマラソンに例えられますが、特にSaaSを成長させるには時間がかかります。 だからこそ、息を止めて走るのではなく、自分が呼吸していることを意識できるくらいのペースで長く走り続けることが大切です。これは事業の継続性を高めるためでもあり、メンバーひとり一人が“仕事以外の時間を楽しむ余裕を持つため”でもあります。 現状に甘えたり、細部に妥協したりせずに成果にこだわるのは当たり前としても、途中で力尽きて倒れないように、心身の健康を保てるちょうどいいペースを見つけなくてはいけません。
セルフリーでは月に数回、夜間のメンテナンス作業を行いますが、週の業務時間は40時間以内となっています。また、入社1年目から20日分の有給休暇があり、5日間のリフレッシュ休暇といった長期休暇の制度もあります。 これからも快適に働ける環境を整えながら、メンバーひとり一人が仕事以外の時間にも集中しやすい“余裕のある体制”を作っていこうと思います。
おわりに
何のために働いているのか。 目的が見えなくなってしまうと、無理な目標のために疲弊してしまったり、焦燥感に駆られてしまったりすることもあります。私たちはその目的を見失わないように、自分たちのペースでゆっくりと、着実に成長していこうと思います。
9期目も「愛される企業を増やす」を企業理念に、5人で力を合わせて、より良いサービスを提供していきます。そして、心に余裕を持ちながら、自分たちなりの成功を目指して1歩ずつ進んでいきます。
引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
2022年7月2日 selfree LLC 代表 小俣隼人