Blog

ブログ

2019.10.20

SaaS 急成長に向けたステップ


こんにちは、本間です。
本記事では、今年発売されてまだ日本語に翻訳されていない、以下の本の内容と考えたことについてまとめてみます。

From Impossible to Inevitable: How SaaS and Other Hyper-Growth Companies Create Predictable Revenue (不可能から不可避へ。~SaaS など急成長企業はどのようにして予測可能な収益を作り出しているのか~)

ニッチ を目指すべき理由

「ニッチ」は日本語では「隙間」などと翻訳されます。新しく作り出すサービスが、現段階では大企業がターゲットしないような小さな市場であったり、潜在的にはニーズがあるけども、まだビジネスの対象として考えられていないような分野を指します。

本書で繰り返し記されているのが、「誰もが あったらいいね のものを目指すのではなく、一部の人が なくてはならない ものを作ろう」という点です。提供予定のサービスに関して知人・友人に相談した時、「あったらいいね」 と言ってもらったとしても、今まで使っていたものを変えてお金を払ってまで使うというほどにはなりません。そこには、今まで使っていたもののブランドや関係などの方が価値があるためです。今まで使ってきたものから移すという決断をしてもらうためには、今までのものよりも圧倒的に飛び抜けたものでなければなりません。

絶対に必要だと思ってもらえるサービスを作ることができれば、同じような課題を感じていた方にとっても、確実に必要とされるサービスとなります。その発見と価値提供ができるようになって初めて「収益を呼ぶ予測可能なリード」を獲得したと言えます。

自らが提供するサービスを絶対に必要だと思ってもらえる業界や人を見つけることが重要です。それが見つからない状態で営業やマーケティングをしても、絶対に必要だと思ってもらうことができず、時間と予算を消費するだけとなります。

焦点を当てずに獲得できたユーザーは、単にラッキーなだけだと記されています。この運による顧客獲得はサービスの「不可避」のレベルに達することはできません。理想のユーザーではない方からの会員登録を「ユーザー獲得できた」として成功と定義してしまうと、成長が止まってしまいます。

「ニッチな業界で世界一を目指す」ということをまずは考えなければなりません。既に競合などがいた場合に、その競合を追い越す・追い抜くというマインドではいけないということになります。その意味で、ここでいう “ニッチ” とは、”マイナー・小規模” といった意味ではなく ”焦点” です。

今は大成功した企業も、最初はニッチを極めています。Facebook は特定の学校に限定してニッチを極めました。PayPal は eBay ユーザーに焦点を当てました。Amazon は本から始め、Zappos は靴だけを売っています。今ではこうした企業はあらゆるモノやサービスを販売していますが、どこも最初はニッチを極めたという点では同じです。

最初に焦点を当てるターゲットを限定しましょう。そして、その業界の特定の痛みを理解し、理想的な顧客を定義します。その顧客にとって不可避な存在、つまりは目立って、ベストで、ユニークで価値があると思ってもらえるレベルを目指しましょう。

ニッチの極め方

では、どのようにしてニッチを極めればいいのでしょうか。

そのための方法として、理想ユーザーにとってのシンプルユニークを追い求め続けようと本書にはあります。他と比べ、自社のサービスは理想のユーザーにとって何が新しく、より便利になり、驚きがあって、見た目がいいのか。これらをシンプルに伝えます。

例として、ペンを売る会社を作った時、最初は全ての色のペンを売るのではなく、オレンジに特化したペンを売ろうと書かれていました。そこで世界一の評価と評判を得てから他の色に進めていこうということです。限定することで、狭い範囲で目立つことができるようになります。最初から全色のペンを販売すると、自分にとって最適なペンだとは思われなくなってしまいます。

そして、”ユーザーの靴を履く” ことの重要性も説かれています。ユーザーの痛みを深く知ることでのみ、ユーザーに最適な機能を提供できます。本書では Twilio が例として紹介されていました。 開発者向けのプラットフォームを提供する Twilio では、新しく採用された人は全員(法務部であっても) Twilio でプログラミングをさせ、何かモノを作ることを求めるようです。そこで感じた痛みを知ることで、資料を改善したり、機能開発につなげているとのことでした。

終わりに

本記事では、最初は特定の業界に絞って「不可避」を目指すことの重要性について記しました。最初からあらゆる業界、あらゆる人に使われるを目指してしまうと、ユーザーにとって「不可避」のレベルまで到達できません。「不可避」のレベルに到達するユーザーのみが、他の人へ製品を紹介してくれるロイヤルカスタマーとなり得ます。

次回は、リードのタイプに応じた予測可能なパイプラインの作成についてまとめてみたいと思います。