Article

ブログ

2022/12/16

認知バイアスとの向き合い方

こんにちは、小俣です。
今回は、“日々の意思決定の中でどのようなことを心がけているか”について、書きたいと思います。

毎日が意思決定の連続

私は、会社の代表・経営者という役割ですが、少人数で経営していることもあり、クラウド電話システム「CallConnect」のセールスやサポート業務など、ありとあらゆる業務に関わっています。
当然、その業務の中ではさまざまな意思決定が必要になるわけですが、その意思決定次第で、経営状況やサービス品質は良くも悪くもなります。意思決定のスピードも大切ではあるものの、その質も非常に大切です。

そこで、どうやったら日々の意思決定をより良いものにできるかということをずっと考えてきました。
膨大な情報に流されたり、誰かの言葉を鵜呑みにしたりして、合理性を欠いた意思決定をしないためにはどうすればいいか。
その答えの一つとして、私は認知バイアスとの向き合い方を学ぶことにしました。
意思決定の質を高めるためには、認知バイアスとは何かを知り、それとうまく向き合うスキルを持つことがとても重要だと思っています。

認知バイアスとは?

認知バイアスとは、認知の歪み・偏りを意味します。
本人が自覚しているかどうかは別として、誰もが自分の育った環境や経験などによって、偏った価値観、物事の見方をしています。そして、それらが合理性のある意思決定を邪魔することもあります。
認知バイアスの例をいくつかあげると、こんな感じです。

・誤った二分法

実際には多くの選択肢があるのに、限られた選択肢しかないと思ってしまうことです。
選択肢が白か黒かの2つしか与えられていない時には、あえて選択肢が狭められていないかと考えるようにし、第三の選択肢(グレー)がないかを考察します。すべての選択肢を知ることで、自分の状況を正しく理解でき、誤った判断を防げるかもしれません。

・性急な一般化

十分なデータがそろう前に一般化を行うことです。少数の個別事例やイメージから、より一般的な広い範囲に対してもその性質が成立すると考えてしまうことを意味します。
「男はみんな〜」「ユーザーはみんな〜」など、主語の範囲が広い場合には、イレギュラー(反例)が常に存在しうると意識する必要があります。

・チェリーピッキング

都合の良い特定の証拠だけに着目し、それ以外の不都合な証拠を無視することです。
見たいものだけを見ていないか、見せたいものだけ見せていないかを自問自答することが大切です。物事にはたいていメリットとデメリットの両面があります。情報を選択する際には、不都合な真実・不利な情報が隠されていないかを注意深く観察します。

・お前だって論法

相手の主張が本人の振る舞いと食い違っていることを指摘し、論点を逸らすことで相手を負かそうとすることです。
今話しているのは、目の前の事象・論点であることを意識しなければなりません。仮に過去に自分が同じミスをしたからといって、「お前だって」と反論されるのが嫌で目下の問題を指摘しないのは間違いです。

・ストローマン

相手の主張を単純化したり、極端なものに変換したりして、その歪めた主張に対して反論することです。
そもそもの主張に対しての反論なのか、歪められた解釈に基づく主張なのかを見極める必要があります。論点のすり替えが起きていないかを観察します。

認知バイアスとどう向き合うか

存在を知ることから始める

認知バイアスはだいたいが無意識に作用するので、そもそも認知バイアスの存在を知らない状態では、自分自身が思考の罠に陥っていることにすら気づけません。そのため、まずは認知バイアスというものがあることを知り、それらが合理性のある判断を邪魔するかもしれないと理解しておくことが大切だと思います。

意思決定を振り返る習慣を作る

上記の認知バイアスはあくまで一例に過ぎず、他にも数多くの認知バイアスが存在しています。
すべてを理解し、意思決定時にそのすべてを意識しておくのはあまり現実的ではありません。
そのため、完璧を求めるのではなく、他者とのコミュニケーションで摩擦が強かったケースなどを振り返ることから始めています。議事録を参照しながら、その意思決定に至るまでの思考や議論の過程を振り返ることで、自分が陥りやすい思考パターンや認知バイアスに気づけます。
偏った価値観によって合理性を欠いた提案・判断になっていないかなどを定期的に自問自答することが大切です。これらの取り組みを続けることで、意思決定の質を上げられればと考えています。

まとめ

認知バイアスへの理解を深めておけば、陥りがちな思考の罠に陥らないように意識できるので、情報選択や意思決定の質が極端に落ちることを防げるのではないかと思っています。

また、「自分自身も偏った価値観によって歪んだ見方をしてしまうことがある」と自覚することにも繋がるので、客観性を持って議論や意思決定の場に臨むことができます。
会社を着実に成長させていくためにも、これからも日々の意思決定の質にこだわって、地道に今やれることを積み重ねていきます。